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「危ない!」
転びそうになった私と、慌てて私を引き寄せた重岡くん。
結局二人して倒れ込んだ。
そのまま川の辺まで転がり落ちた。
「いったあー」と言って、私達は顔を見合わせて笑いあった。
「ははっ、髪ぼさぼさやで!」
「えっ、嘘!」
笑いながら彼は私の髪を直してくれて、付いてしまった草を取ってくれる。
「制服も汚れてもうたやろ、ごめんなあ!」
「全然大丈夫だよ。私、汚れるまで遊んだことなんてないから、なんか楽しい!」
「そっか!」
そう言って彼は明るく笑った。
けれどすぐに寂しげな顔をする。
「もうそろそろ帰らなあかん?」
夕日はもう、四分の一ほどしか出ていなかった。
いつもならもう帰らなければいけない時間。
でも、今日は一緒に居たかった。
「…ううん、いいの!もっと一緒に居たいから」
「…ほんまにええの?」
「うん、大丈夫だよ」
私はお手伝いさんから届くメッセージを無視して、携帯の電源を落とした。
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作者名:みなみ | 作成日時:2017年3月7日 13時