永遠の想いをあの空に〈赤〉 (ページ33)

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いつも通りに戻った重岡くんと、またいつも通りに笑いあっていると、あっという間に時は過ぎていって、気が付けば、日は西に傾き始めていた。

窓から差し込む強い西日に、私達は目を細めた。

「もう夕方やな！」

「本当だ、早いね。っていうか、もう三時間近く経ってる！」

「嘘やん！」

「でも、いつもここに来れるの今くらいの時間だよね」

「せやなあ。…じゃあもう少し一緒におれるな」

なんて嬉しそうに、照れ臭そうに微笑む彼が愛おしくてたまらなくなる。

胸がどきどきして、私は彼から目を逸らした。

「ねえ、見て！やっぱりここから見える夕日は一番綺麗！」

「…うん」

夕日に伸ばした私の手は、窓にぶつかって、遮られた。

虚しくなって手を下ろそうとすると、重岡くんが私の手首をそっと、でも力強く握った。

「ここから見えるのが一番なんかやないよ。窓越しにじゃなくて、直接見る夕日が一番綺麗やねんで？」

「でも私は…」

「一緒に、見に行こ」

彼は私の手首を掴んだまま走り出す。

私達の背にある夕日はまだ沈んでいない。

永遠に、沈まなければいいのに。

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