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そこからの進展は意外と早かった。
合コンに参加してから数ヶ月後にはAとのお出かけやお互いの家に行き来することが当たり前になっていて、
大学4年にあがる頃には関係性が変わり、ハグもキスもそれ以上のこともするようになった。
違う大学であるにも関わらず、誰よりも何よりも濃ゆい時間を過ごし、気づけば社会人になる手前。
勇「A、ちょっといい？」
「ん？どうかした？」
勇「そろそろさ、俺らも社会人になるじゃん。今まで以上に自由になるけど縛られる時間も長くなるじゃん？」
＿もし良かったらさ、
勇気を出して『同棲』を提案したら、
Aは喜んで、一日中鼻歌を歌っていたね。
少し丈の足りないカーテン
グレーのラグマット
シンプルなダイニングテーブルに
2人がけのソファ
時計は2分早めに設定して
オシャレを気取って絵画なんか掛けてみたり
部屋に詰まったこだわりも不足分も全部2人だけの"味"として、受け止めていた。
いつからか同じ空間にいるのに
顔を合わせることも、話すことも少なくなった。
腹を括って話してみても平行線。
そっちが悪い、そんなことない、
気がつけば家の扉が閉まる音だって
何度も何度も別れ話を切り出そうとしても、
結局自分の中で出てくる答えはAじゃなきゃダメってこと。
月日の呪いなのか、何かを恐れているのか
初めてお揃いで買ったネックレスは
あの頃と同じまま輝いていて
苦しくなった
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作者名：ジャックと豆の森 | 作成日時：2023年8月2日 5時
