いろとりどり (ページ4)

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隣に座る君は
飲み干したサイダーの缶を見つめながら

「もうすぐ学期末だな〜。」

と、呑気に呟いている。

体育祭は惜しくも2位という結果に落ち着き、
高校での行事が1つ、終わった。

体育祭が終わって1週間が経った今、
来月に控える学期末を思い出して嘆いてる君の横で

今年の夏こそはと意気込んでいる、俺。

毎年のごとく思っている、俺。

今学期のメインイベントは残り1つ
それが学期末試験だ。

1、2年はそれに加えて
終業式の3日前に行われている球技大会もあるが、

3年になると、そんな行事すら消滅する。

そう、今学期の楽しみは1週間前に終わった体育祭のみ。

これから頑張るから！
なんて適当な理由で腕を引っ張られた先は
幼い頃両家で行っていた海岸沿いのご飯屋さんだった。

「やっぱ美味しいよね〜！ずっと食べに来たかったんだけどタイミングなさすぎて...。」

海「かい達受験生だし、もう家族一緒に出かけるってこともなくなっちゃったからね。」

「ほんとだよもう〜〜！受験生早く終わりたい...。」

海「いやいや、まだ受験すら始まってないよ。」

お腹を満たし、次はどうするのだろうと思っていると

少しだけ海を見たい

という君のリクエストにお答えして、ご飯屋さんから砂浜まで歩くことになった。

てところで、冒頭に戻る。

海「体育祭の後、水川くんに告白されたんだって？」

「な、なんで！知ってるの！」

海「水川くんが、直々に教えてくれたよ。」

敵対視されてるんだか、俺の気持ちが分かるんだか

体育祭が終わった次の日
教室移動で水川くんにすれ違いざま

＿＿＿君がウジウジしてるから、先に告白しちゃった

なんて言ってくるもんだからさ、めちゃくちゃ焦ったよね。

でも君はあの日と同じようにあっけらかんとした声色で話すんだ。

「実際のところ、水川くんをそういう目で見た事なかったし、それに今は...好きな人、できたから、さ。」

海「え。」

たった今失恋が確定したのか、もしくはミリグラムでも可能性があるのか

海と砂浜が交わるところまで走っていった君の後ろ姿を見つめ

異様なまでに高鳴る胸を、夏のせいにしたかった。