いろとりどり (ページ1)

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幼馴染=Kaito.T ページ1

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『幼馴染』

そんな言葉に甘えて過ぎた時間は、

つらくて、にがくて、

それでいて甘かった。

家が隣同士だったこともあり、物心がついた頃には
ほぼ毎日一緒に遊んでいた。

"ソレ"が恋心だと気づいたのはつい最近で、

普段と様子の違う君と隣のクラスの男子が向かい合って笑ってる。
そんな2人を見て、なんだか胸がざわついたんだ。

特に用事もないし、部活の時間も迫ってて早く動かなきゃなのに、足が動かない。

映画のワンシーンのように綺麗な顔で笑っている君は
サイダーのように透き通っていた。

『幼馴染』という関係性を壊すほどの勇気は持ち合わせてない。
だけど、気づいてしまったからには
どうしても伝えたい。
だけど、伝えてしまうことによって二度とこの関係性に戻ることは出来ないのではないか。

そんな上手くいかないことばかりが頭をよぎり、君から目が離せない。外で鳴くセミの声がやけに大きく聞こえる。

どうして？
そこにはまだ知らない君が存在している気がして、
目を逸らした

その一瞬、

話し終えていた君が目の前にいて。

「お〜い、海ちゃん、大丈夫？もうすぐ部活始まっちゃうんじゃない？」

海「うおっ！A？！」

「？」

海「あぁ〜なんでもない！てか、さっきの男誰？かいがいるのになんで他の男と喋ってんのさ。」

「水川くん？委員会が一緒だからさ、今度の1クラス1案何にしようかって。」

海「ふぅ〜ん。」

「興味無さそうだね。早くしないと部活遅れちゃうよ？」

海「言われなくても行くも〜ん！じゃ、またあしたね。」

「うん、ばいばい。」

水川って誰だよ、まじで。
実は好きだったり...するのかな。

なんとなく纏う雰囲気がいつもと違うことが
妙に胸の中をざわつかせていた。