今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:3,029 hit
小｜中｜大
第9話 ページ10
千秋side
杏は優しい。
僕が悩んでいる時や苦しんでいる時、僕の気持ちを理解して欲しい言葉をくれる。
僕は杏に何もしてあげられてないのに。
「何か杏にしてあげられたらな……」
そう悩みながらSNSをいじっていると、とある場所が目に留まった。
そこは、動物園と水族館が合わさったような場所で、遊園地ほどではないけど乗り物もあった。
きっと、こういう場所をデートスポットというのだろう。
「そうだ！」
デート！
杏と恋人(仮)になってから一度もデートには行ったことがない。
杏の楽しめそうなことをしつつ、恋人らしいことも出来る絶好の機会！
「よーし！」
善は急げ。
早速チケットを購入した。
でも、誘う勇気が出ない。
「杏！」
「ん？」
「……なんでもない！」
ダメだ。
言えない。
「んあぁぁぁ！！！！！」
ベッドの上でバタバタしていたら、隣室から壁を殴られた。
「せっかく買ったのにな……」
1週間渡せないままだったチケットを握りしめ、少しだけ泣きそうになった。
「なーに持ってんの？」
「っ！杏……」
「わあっ！このチケット！僕が行きたかったところだ！」
チケットを片手に喜ぶ杏の姿に、今まで抱えていた負の感情が消え去っていった。
杏には敵わないな。
「ねぇ、杏。僕とデートしよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
設定タグ：百合 , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月羽and月翼 | 作成日時：2020年12月30日 0時
