4つの蕾が開く頃に…… (ページ8)

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崇裕side

智洋「ねえ、のんちゃん、たか、俺の事嫌いにならんでな？この話聞いて。」

望「当たり前やろ。」

俺もなんの前フリなんか知らんけど、双子の片割れを嫌いになるわけないからとりあえず頷いた。

智洋「俺さ、今一人称『俺』やけど、ほんまはそれしんどい。小学生くらいの時からな、ずっとなんで性別って2つしかないんやろ、って思ってた。俺の中では、男でも女でもないって感じで……。それを隠すためにたまに女装して、なるべくジェンダーレスな服装して。髪染めてピアス開けて……、全部怒られた。」

勿論、俺やとも、流星、淳太が通う学校は髪を染めるとかピアス開けるなんてご法度。何度大兄が呼び出し食らってたか。

そんなん知ってた。でも、そこまで悩んでたことがあって、それを気づかれないようにするためにそうしとったなんて気づきもしなかった。

智洋「最初は怒られて、すぐ元に戻したで。でもな、女装はやめんかった。初めて大兄が女装見た時、なんて言ったと思う？『オカマみたいだからやめろ。』やで？w なんか、全てを否定されてる気分やった……。」

望「そっ、か。気づいてあげれんでごめん。今日はうち泊まり。服は淳太の服借りればええし。たかもおいで。」

それだけ言い残し、話を聞きながら飲んでたコーヒーをグッと飲み干したのんすけは淳太や大兄に電話をしに行った。

崇裕「ごめんなぁ、気づいてあげれんで。俺、双子の兄貴なんになぁ。」

そう泣き疲れて俺の肩に頭を乗せて寝てしまったともの頭を撫でながら、俺は気づいてあげれなかった悔しさに1人涙を流した。