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side淳太


淳「お、おか.....」




『なによ』



淳「何しに来てん...」



久しぶりにあったのに、なんで俺のこと捨てたんやって言いたかったのに言葉が出えへん。




『そうそう。あんたに頼みがあってきたんよ。
これ。あたしもういらへんから淳太持ってってーや』



これ、と言われ横から引っ張ってきたのは、




「た、たか...?」




11月だと言うのにヨレヨレの薄いTシャツにハーフパンツ。髪の毛もボサボサで伸び切っている。体もやせ細って今にも倒れそうや。
けどわかる。相変わらず喋ってるのに全く興味がなさそうに他を見ているその顔は、間違いなく弟で。



『こいつはあんま喋らへんし手間かからへん思ってあんただけ施設入れたけど、こいつ障害者やってん。なんも出来へんしおっても邪魔やからおまえに預かってもらお思って』




何年探したと思ってんねん、そう言いながら綺麗に整えられた爪をいじる目の前の女に俺は思わず殴り掛かりそうになっていた。



許せへん。
こいつだけは絶対許したらあかん。


俺が家を出て12年、弟はどれだけ苦しんだんだろうか。
障害の程度もわからなければ、実はもう死んでるんじゃないかと思った時もあった。
そのくらいひどい家だったのだ。



淳「わかった。崇裕は俺が面倒見る」



『ほんまに!?いやー助かるわー。淳太ならそう言ってくれると思っててん』



本当は名前も呼んで欲しくないくらいに怒りがピークに達している。



『たか、よかったねー。淳太お兄ちゃんがこれから面倒見てくれるってー』



崇「.....」



『じゃあ、あたしもう行くで。これからデートやねん。淳太、たかのこと頼んだでー』




これからデートだからなのか崇裕の引き取り手が見つかったからなのか分からないが感謝も挨拶もなく上機嫌に背を向けて帰る元母親。



「もう二度と俺たちの前に現れるな」



そう呟いて勢いよく玄関のドアを閉めると音に驚いたのか横で崇裕が思いっきり耳を塞いだ。






そうや。俺たちはこれから大変になるんや。
あの胸糞悪い女のことはもう忘れるんや。

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orange72019(プロフ) - このお話むっちゃ好きです!!!!!これからも更新頑張ってください!!!!!!!!!! (2020年5月23日 1時) (レス) id: cdf058685f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひよこ | 作成日時:2019年9月22日 23時

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