たかくんと家族のおはなし (ページ20)

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side智洋

俺の目からこぼれ落ちる拭っても拭っても止まらない涙を見てたかひろは焦っていた。

崇「とも、ともぉ...」

あたふたと俺の涙をタオルケットで拭いてくれる。

すると何を思ったのか俺の手を掴み、自分の頭の上に乗せて泣きそうな顔でこっちを見てくる。

崇「とも、ごめんなさい...！」

きっとさっき俺が撫でようとした時にパニックになってしまったことを謝っているんだろう。

ん！ん！と言いながら俺の手で自分の頭を撫でている。

多分、撫でるとかよしよしとかって言葉がわかんなくて実際にやることで俺に何をして欲しいのか伝えようとしているんだろう。

そんな姿にくすっと笑みがこぼれる。

神「たかくん、いい子いい子してくれてるん？ありがとうな」

崇「いーこ、いーこ...！」

俺が自分の手でたかひろの頭を撫でてやると嬉しそうな顔をする。

崇「くふふ、とも、すきぃ」

このタイミングで好き、は別におかしくはないがなんか恋人みたいな感じになるんじゃないか？

多分この子は『好き』か『いや』でしか感情を表すことが出来ない。

今伝えたいのはきっと...

神「たかくん、嬉しいん??」

崇「ん、？んー。うれしぃ...」

うれしい、うれしいと何回かつぶやきしばらくしてからぱっと俺の顔を見る。

崇「たか、うれし！」

神「ふはっ、ほんまにー。嬉しいなぁ？たかくん」

くしゃくしゃと頭を撫でてやると目を細めて笑う。

ガチャ

そこへ急に家の鍵が開く音がした。

神「え？誰か帰ってきた！？」

淳「ただいまー」

崇「じゅんたやぁ！」

お兄さんっ！？あれ、帰ってくるのはやない！？