02:狐と天狗 ページ2
私が絵本を読んで知った生き物は、二匹いる。
一匹は、狐。
昔々、武蔵野のある村に、お婆さんの形見を失くしてしまったお百姓さんがいました。
それは、普段はほったらかしにしていた、古い櫛でした。でも、大切なお婆さんの形見でした。
貧しいお百姓さんは、お賽銭の代わりに、裏庭のニワトリが産んだ卵をお稲荷さんにお供えして
毎日毎日お祈りしました。
すると、ある夜の事。
なんと、狐が櫛を届けてくれたのです。
それからというもの、失くし物をしてしまった村の人達は、そのお稲荷さんに卵を供えて
お祈りするようになりました。
でも、本当は…。
その絵本に描かれている絵を、私はよく覚えている。
物置から、古いカメラを盗んでいる狐の絵。
着るもの、玩具、写真、健康器具。
何でもかんでも、盗んで持っていってしまう狐達。
「もらっちゃえ、もらっちゃえっ。ホッタラケにしてるんなら、もらっちゃえ」
狐達が唄う。
人間の物を盗みながら。
狐達は荷車にすごい量の物を入れて、走っていってしまう。
闇の向こう側へ…。
ホッタラケというのは、人間がほったらかした物の事。
狐達は泥棒というワケではなく、人間が物を大切にしないから、そうやって物の大切さを
教えてくれてるのだ。
そして、もう一匹はカラス。
この話は、ちょっと怖い。
昔々、ある村で悪戯をする、困った子供がいました。
畑の野菜を盗んだり、塀に落書きしたり、嘘を吐いたり。
そんなある日、その子供がいなくなってしまいました。
何処を探しても、その子は見つかりません。
困ったその子のお母さんは、神社の祠におむすびを供えてお祈りしました。
すると、いなくなって一週間が経った頃、その子がひょっこりと見つかったのでした。
それ以来、その村では度々、悪さをする子供が神隠しに遭う事が増えた。
その度、村人達は神社の祠に、おむすびをお供えして、お祈りするようになった。
絵本に描かれていたのは、カラスの翼の生えた天狗の絵。
空から下りてきて、子供を攫う天狗の絵。
「悪さをする子はいないか、言う事を聞かない悪い子はいないか」
天狗達が唄う。
たくさんの子供達を攫いながら。
山の奥深くへ…。
この話も、言う事を聞かない悪い子を叱る為、天狗が攫っているのだ。
それでも、私はちょっと怖かった。
だから私は、お父さんやお母さんの言う事を聞くようにしてた。
この二つのお話、何だか似てるよね…？
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たにし - ついさっき、レンタルしたホッタラケの島を見たところでした。とてもいい話ですよね！狐に合わせた天狗のお話好きです(*^-^*) (2022年3月9日 1時) (
レス) @page3 id: 0cb72e6b62 (このIDを非表示/違反報告)
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