08:フックの計略 ページ8
「…あの〜、フック船長?」
Aはおずおずと、カウンター席で寝ているフックに声を掛けた。
フックの周りには、空になったラム酒の瓶が転がっていた。
「飲み過ぎは体に悪いですよ…」
「うるさい!!もっと酒を持ってこい」
フックは自棄になって、ラム酒をあおった。
すると、甘ったるい声が響いた。
「あら、フック。どうしたの、珍しく自棄酒?」
「げっ!!お前らは…!!」
フックは顔を青ざめさせた。
そこに現れたのは、一匹のワニと、大きなタコだった。
フックはいつも、この二匹に追われていたのだ。
「やだ、怖がらないでよ。今日はね、あなたの手助けをしてあげようと思ってね」
すると、タコは魔法で人間の姿に変わった。
それも、目を見張るような可愛らしい少女に。
その横で、ワニも人間の姿に変わった。
フックのようにコートを着た、長髪の男に。
「あのシノって子が欲しいんでしょ?アタシ達がジャファーから奪ってあげましょうか?」
「何だと?」
目を丸くするフックに、タコが囁く。
「略奪はあなたの十八番でしょ?アタシ達なら、あの子を誘い出す事くらい簡単よ」
「だが…一体どういう風の吹き回しだ?」
「いいじゃない、細かい事は。とにかく、アタシ達に任せて?」
フックは怪しいと感じたが、今はもう迷っている暇はない。
何としてでも、シノを手に入れたい。
そう思い、頷いた。
「仕方ない…お前達に任せるぞ」
「フフフ、任せて♡」
タコとワニはフックに背を向けて、歩いていった。
その直後、ワニがタコに聞いた。
「おい、何でフックの言う事聞く事にしたんだ?」
「あなたって本当にバカね…当然、フックの体の一部を食べる為よ。シノを引き換えにするなら、
きっと仕方なく差し出すはずよ。あなた、フックを食べたいんでしょ?」
「ああ、食べたい!!」
「だからね、シノを何としても手に入れるのよ」
すると、タコはうっとりと目を細めた。
「アタシが、フックを手に入れる為にも…ね♡」
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まー(プロフ) - すごく良いと思います!良かったら合作しませんか? (2020年4月28日 20時) (レス) id: 25d5908286 (このIDを非表示/違反報告)
森田菜々子 - この前は私の夢主達が作ってるので『うちの子達との故郷の世界の紹介』を見てくださいね。 (2018年5月30日 18時) (レス) id: f610c408d6 (このIDを非表示/違反報告)
森田菜々子 - この作品が凄く良いです…!!ワルねこさん、更新頑張ってください!! (2018年5月17日 16時) (レス) id: f610c408d6 (このIDを非表示/違反報告)
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