46☆体育祭 ページ48
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パンパン、真っ青な秋空に渇いた銃声がきこえる
体育祭始まりの合図だ
大勢の人混みの中、これから一日中外にいなくちゃいけないと思うとすでに吐き気がする
なかなか行く気が起きず、昇降口に座っていると、後ろから「おい」と声が聞こえてきた
アーサーだ
荷物を抱えているから、多分仕事でもしているんだろう
彼は私を見下ろすと、「どうしたんだ?具合でも悪いのか」と聞いてきた
「いや…そういう訳じゃないんだけれど…」
「あんまりやる気が出なくて」そうため息をつく
「まぁ無理はするなよ、お前元から体弱えんだし、熱中症とかならねぇようにな、別にお前のためとかじゃねぇからな、俺が大変になるからウンタラカンタラ…」
アーサーのツンデレ気味な心優しい気遣いに感謝しつつ、私は立ち上がった
「気ぃ使わせちゃって悪いわね、ありがとう
アーサー」
そう言い残してそこを後にし、自分の応援席に移動した
私の仕事はとりあえずまだ無いので、応援席につくと、適当に座る
するとそこに今度はアルフレッドがやってきた
「やぁA!!今日は絶好の体育祭日和だ!」
彼は私の隣に座りそういって笑う
本当に無邪気だ
「そうね、貴女も熱中症にならないように気をつけなさいよ」
「親みたいなことを言うんだな君は!年寄りなんじゃないかい?」
「はぁ?
誰が年寄りよ、私は一応貴方のこと心配して言ってあげたのよ、見境無しに走り回ってぶっ倒れても困るから」
「あ、心配してくれてたのかい?」
どうして今の皮肉をそうポジティブに解釈できるのかしら
なんにも考えずに「HAHAHA〜☆」と笑う彼
そんな様子をみてるとまぁいいや、と思えてくるのはいつものことだ
遠くから彼を呼ぶ声がする
フランシスだ
アルフレッドは「あっしまった、仕事があったんだ」と言うと立ち上がった
そして一度私のほうを振り返ると
「君も気をつくなよ、身体弱いんだからさ」
そう言うと即座にかけていった
その後ろ姿を眺めながら、何故だか少しチクッとした
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カルタ(プロフ) - エリア51さん» ありがとうございます!感激です(^^)頑張ります! (2016年9月13日 22時) (レス) id: a9fc407250 (このIDを非表示/違反報告)
エリア51(プロフ) - 夢主さんの感情をイメージするのが楽しくて、毎日読み返しています!更新頑張ってください〜! (2016年9月11日 23時) (携帯から) (レス) id: ad264a6ef2 (このIDを非表示/違反報告)
カルタ(プロフ) - 雅さん» ありがとうございます!頑張りますのでこれからもどうぞ宜しくお願いします(^^) (2016年9月6日 17時) (レス) id: a9fc407250 (このIDを非表示/違反報告)
カルタ(プロフ) - Amberさん» そう言って頂けて嬉しいです!いつも励みになっています(^^)ありがとうございます! (2016年9月6日 17時) (レス) id: a9fc407250 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 初コメです(^_^)とても面白いです♪良い雰囲気も、今後も凄く気になります(*^▽^*) (2016年9月5日 5時) (レス) id: b4ae5a531d (このIDを非表示/違反報告)
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