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38☆絶景と君 ページ40




小さな丘を登りきると、すっかり夕焼け空になっていた

少し息切れ、火照る体に心地よい風が吹く


「ついた、ここだよ」


アルは言った

柔らかい草の上を歩き、目の前の景色に目を向ける



「……おぉ」


目の前に広がる夕日がその下に建ち並ぶ建物を照らし、景色全体をオレンジ色に染めていく


「……綺麗…」


すぐに夕日は海に反射しながらゆっくりと沈んでいった

瞬間、家々のライトが順番についていく

一言ではうまく言えないが、とにかくとても綺麗で神秘的な瞬間だった

こんなところにこんな場所があったなんて…



「凄いだろ?この間ここに来たときに見つけたんだ」

いつの間にか後ろにいたアルが隣に来て、遠くを眺めていた

その横顔は、とても綺麗だった

じっと見ていると、視線に気づいたのか

「なんだい?そんなにじっと見られても恥ずかしいんだけど…」

と、少し顔を赤らめる


「君に見せたかったんだ、これ」


「えぇ、凄く神秘的で綺麗」

そう言ってもう一度その光景に目を向ける

さっきまでのモヤモヤとかそういうのが、本当にどうでも良いことのように思えてくる


アルはそんな私の様子を見て、なんだか嬉しそうだ


「あとさ、」


アルがポッケから取り出した小さな箱

開けるとそこには、さっき飾ってあったエメラルドの宝石がついたネックレスが丁寧に入っていた

「…! これ…」

訳がわからずただびっくりしていると、「君は覚えてないかも知れないけど…、今日でちょうど俺とAが付き合って3ヶ月なんだぞ」

と少しはにかんで言った

「3ヶ月…」

不思議な響きだ

あっというまにもう3ヶ月も経ってたなんて


「早いわね」


「あぁ、あっというまだよ」


アルはそう言いながら私の後ろに周り、私の首にネックレスをつけた

首に鉄の冷たい感覚と、アルの温かい手が混じり、少し心臓が跳ねる


「うわ、やっぱり君にぴったりだよ」

彼はそう言って笑った

「君の瞳そっくりだ」


……どうしてこの人はホントに


でも…




「……ありがとう」


そんな言葉は少し恥ずかしかったが、他にこれしか今の気持ちを表せる言葉など無かった


自然と笑みが溢れる



「これからも、宜しくなんだぞ」


“これからも“

確信の無い言葉だったが、何だかとても嬉しかった



「宜しくね」

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カルタ(プロフ) - エリア51さん» ありがとうございます!感激です(^^)頑張ります! (2016年9月13日 22時) (レス) id: a9fc407250 (このIDを非表示/違反報告)
エリア51(プロフ) - 夢主さんの感情をイメージするのが楽しくて、毎日読み返しています!更新頑張ってください〜! (2016年9月11日 23時) (携帯から) (レス) id: ad264a6ef2 (このIDを非表示/違反報告)
カルタ(プロフ) - 雅さん» ありがとうございます!頑張りますのでこれからもどうぞ宜しくお願いします(^^) (2016年9月6日 17時) (レス) id: a9fc407250 (このIDを非表示/違反報告)
カルタ(プロフ) - Amberさん» そう言って頂けて嬉しいです!いつも励みになっています(^^)ありがとうございます! (2016年9月6日 17時) (レス) id: a9fc407250 (このIDを非表示/違反報告)
- 初コメです(^_^)とても面白いです♪良い雰囲気も、今後も凄く気になります(*^▽^*) (2016年9月5日 5時) (レス) id: b4ae5a531d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カルタ | 作者ホームページ:カルタ  
作成日時:2016年7月3日 17時

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