検索窓
今日:15 hit、昨日:18 hit、合計:64,034 hit

35☆腹が減っては戦は出来ぬ ページ37





「マシューじゃないか!奇遇だね
一人かい?」

アルフレッドが容赦なく、そう言ってマシューが少し傷ついてる

「ち…違うよっ…、今日はフランシスさんと買い物なんだ…」

え?フランシス…?


「でも…フランシスさん途中でどっか行っちゃってさ…きっと女の子でもふっかけてるんじゃないかな…あるいは僕に気づかないで探してるとか…ハハ」

「あぁ良かった…」

「なにが良かったんだい…?」

マシューか不思議そうに尋ねてきたから、「なんでもないわ」と笑った

アルは私からアイスを受け取ると、マシューの話なんか全く聞かずに美味しそうに頬張っている
そしてそんな様子を見て、
「また僕の話聞いてないんだから〜…」
と呆れた笑いを浮かべるマシュー

こんなところでアイツに会うなんてたまったもんじゃない
何言われるか分かったもんじゃないわ

しかもアルもそう思っていたようで、

「フランシスに会うと色々面倒だから、行こうA!じゃあねマシュー!!」

そう言うと、私の手を引いて駆け出した

引かれるがまま遠ざかる私は、マシューを振り返った

「あっ…えっと、マシューまた今度っ!」

そういって手を振ると、
彼は困り顔で、でも楽しそうに手を振り返していた

少し走って人混みを抜けたところで、アルの背中に思いきりぶつかったところで止まった

「ぶっ…!」

どうやらアルは本当にいきなり止まったようだ

「なんだい?どんくさいなぁ」

「うるっさい、貴方がいきなり止まるから悪いのよ」

「お腹が空いたんだ、どっかで食べようよ」

言われてみれば、お腹が空いてきた

「まぁ…そうね」

アルはニッと笑って、「じゃあ決定だな」と言った

「ちなみに俺、食べた後に行きたいところもあるんだけど」

こういう笑顔に、私は弱い

「どこでもいいわよ」

私が息をついてそう言うと、アルは嬉しそうに笑った

ハナの誕生日プレゼントを買えたことが、そんなに嬉しかったんだな、と思うと、少し胸が痛んだ

このままで、本当に良いのだろうか…

やっぱりハナにはちゃんと本当のことを話して
その上であの二人が付き合う方が、ハナにとっても彼にとっても良いとは思ってる


「……どうしたんだい?」

アルが私の顔を覗き込んできた

「なんだか顔色が悪いみたいだけど…」

珍しく心配そうな顔をしてる

「…なんでもないわ」

アルは少し怪訝な顔をしたが、
「まぁとにかく腹が減っては戦はできぬっていうだろ?」と言った

「戦はしないけどね」

36☆テーブルマナー→←34☆通りすがり



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (49 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
91人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

カルタ(プロフ) - エリア51さん» ありがとうございます!感激です(^^)頑張ります! (2016年9月13日 22時) (レス) id: a9fc407250 (このIDを非表示/違反報告)
エリア51(プロフ) - 夢主さんの感情をイメージするのが楽しくて、毎日読み返しています!更新頑張ってください〜! (2016年9月11日 23時) (携帯から) (レス) id: ad264a6ef2 (このIDを非表示/違反報告)
カルタ(プロフ) - 雅さん» ありがとうございます!頑張りますのでこれからもどうぞ宜しくお願いします(^^) (2016年9月6日 17時) (レス) id: a9fc407250 (このIDを非表示/違反報告)
カルタ(プロフ) - Amberさん» そう言って頂けて嬉しいです!いつも励みになっています(^^)ありがとうございます! (2016年9月6日 17時) (レス) id: a9fc407250 (このIDを非表示/違反報告)
- 初コメです(^_^)とても面白いです♪良い雰囲気も、今後も凄く気になります(*^▽^*) (2016年9月5日 5時) (レス) id: b4ae5a531d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:カルタ | 作者ホームページ:カルタ  
作成日時:2016年7月3日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。