34☆通りすがり ページ36
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マシューは「もー」と笑いながら隣に腰かけてきた
「今日はアルフレッドと買い物だろ?…」
「そうよ」
やっぱりアルが言いふらしたな
「恋人役…どうだい?」
「そうね……ってえ?」
なんでマシューが知ってるんだろう
マシューには話していないはず
「どうして知ってるの?…って顔してるね」
マシューはそういって小さく笑った
「だって、アルフレッドに君を選んだのは僕だもん」
「え…?マシューが?」
どうしてマシューがアルに選んだのが私なんだろう、アルはマシューに相談していたってことかしら
「覚えてるかい?入学式の春…君が僕に気づいてくれたこと…」
マシューはそういって話しだした
「それまで、僕はいつも影が薄くて…誰にも気づいてもらえなかったんだ、しかもアルフレッドはいつも目立っていて…僕はその逆…
その入学式の日も誰にも気づかれなくて、それが寂しくてさ…一人で教室に座ってたんだ…」
入学式の日を思い出してみる
そうだ…私、一人で座ってるマシューに声をかけたんだ
─…ねぇ、貴方、なんて名前なの?─
─僕…?僕は…マシュー・ウィリアム…─
─そう…私はクイーン・A・パーカー、
ねぇ、貴方も一緒にお話しましょ
座ってたって楽しくないでしょう?─
「君だけが僕の存在に気がついてくれたのさ…
ぶっきらぼうで口調が強いけど、とても優しい子だと思ったんだ…」
マシューの口からこんな言葉が出るなんて思ってもみなかった
しかもこんなあからさまに言われると恥ずかしい
「…だから、アルフレッドから相談を受けた時
僕は真っ先に君が思い浮かんだんだ…Aにとっては迷惑だったかもしれないんだけど…」
なるほど、これで何故アルが私のところに来たかが分かった
「そう、だったのね」
マシューは「ごめんね…」と頬をかいた
「貴方が謝ることじゃないでしょ」
申し訳なさそうにするマシューに笑いかけた
本当に彼はよく考える人だ
「にしてもマシューも大変ね、あんな奴と兄弟なんて、私だったら耐えられないわあんなKY」
「あ、あはは…まぁそれがアイツの良いところだよ…」
「それでこんなにマシューが気が利くようになったのね」
間接的にアルフレッドに皮肉を言うと、マシューが照れ臭そうに頭をかいた
「だってさ」
店から、商品を抱えたアルが出てきた
こっちに気づくと嬉しそうにかけてくる
「まだ、子供みたいだろ…?」
「…そうね」
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カルタ(プロフ) - エリア51さん» ありがとうございます!感激です(^^)頑張ります! (2016年9月13日 22時) (レス) id: a9fc407250 (このIDを非表示/違反報告)
エリア51(プロフ) - 夢主さんの感情をイメージするのが楽しくて、毎日読み返しています!更新頑張ってください〜! (2016年9月11日 23時) (携帯から) (レス) id: ad264a6ef2 (このIDを非表示/違反報告)
カルタ(プロフ) - 雅さん» ありがとうございます!頑張りますのでこれからもどうぞ宜しくお願いします(^^) (2016年9月6日 17時) (レス) id: a9fc407250 (このIDを非表示/違反報告)
カルタ(プロフ) - Amberさん» そう言って頂けて嬉しいです!いつも励みになっています(^^)ありがとうございます! (2016年9月6日 17時) (レス) id: a9fc407250 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 初コメです(^_^)とても面白いです♪良い雰囲気も、今後も凄く気になります(*^▽^*) (2016年9月5日 5時) (レス) id: b4ae5a531d (このIDを非表示/違反報告)
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