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37.ス ページ39



政府から帰ってくると、すでにもう夕方ごろになっていた

玄関には不動行光がいて、私を見ると「あれっ浅井どっかいってたのか?」と不思議そうな顔をされた

「はい、少し」

不動「まぁでも間に合って良かったな、まだ乱はきてないぜ」

と、不動は少し嬉しそうな表情をした
…昔はこんな顔し無かったのに…
何が彼を変えたのだろうか

不動「大広間が今凄いことになってて、さっき帰ってきた貞達も魚盛り付けてるってさ!俺も見たけどすげーんだよ」

「…………」

不意に出た彼の笑顔に少し戸惑っていると、「どうした?浅井」と見上げてきた

少し胸の方が暖かくなったような気がした


「…そうですか、それはいいですね。乱を此処で待っているあなたも凄いですよ」

そう言いつつおもむろに不動の頭をポンポンと撫でてやると、私は玄関を通り過ぎた


不動行光は、こんなに人懐っこくなるものなのか…
と独りごちながら中庭を歩く

すると、曲がり角から威勢の良い声が聞こえてきた
大広間に続く縁側だ

私に気づいた薬研がこっちにやってくる

薬研「どーだ大将、見事な出来栄えだろう。燭台切の旦那がわざわざ捕まえて来た代物だぜ」

彼はそう言いながら自分の後ろにあるテーブルを指した

その瞬間、大広間にいた五虎退がビクっと肩を震わせた

綺麗に飾り付けられた大広間、壁には短刀達が作ったであろう飾りと、「乱兄さん おかえりなさい」と書かれた弾幕が括りつけられている

「とても綺麗なことで…」

薬研「だろ?」

「あの弾幕、誰が作ったんですか?」

すると薬研がぐるっと後ろを振り返る

薬研「あれは五虎退が作ったんだ」

名前を呼ばれた五虎退は、「はっはい……」と後ずさる

「とても素敵です、乱もきっと喜ぶと思いますよ」

五虎退「……ほっ…本当ですか…?」

おずおずと燭台切の後ろから顔をだす五虎退

確か五虎退は、審神者からの虐.待でこっちへやってきた
こちらへ来てからも、やはり最初の顕現で染み付いたものは消えないと言うべきか…ずっとあの調子で私との接触を避けていた

しかし今日、彼は自分の意思であの弾幕を作った

小さなことだが、彼にとっては大きな進歩だ

私は五虎退にそう言って少し微笑むと、彼は目に見えて表情が明るくなった

五虎退「あ……ありがとう…ございます……!」


五虎退の声を最後に、私は大広間を通り過ぎ部屋へ戻った

後ろで

薬研の「良かったな」という声が聞こえてきた

箸休めですよ!!!!皆さん!!(´˘`*)→←36.ホンマル



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琴葵(プロフ) - 面白すぎて一気にシリーズを見てしまいました!!!更新楽しみに待ってます!!!!!!!! (2019年5月27日 19時) (レス) id: b0ea0349a7 (このIDを非表示/違反報告)
千歳 - すごくおもしろいです!続編が読めないんですが私だけですか…?… (2019年5月25日 14時) (レス) id: 0f5e08b4d3 (このIDを非表示/違反報告)
滅月(プロフ) - とっっても面白いです!もっと評価されるべき…!! (2019年5月16日 21時) (レス) id: cd11303192 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カルタ | 作者ホームページ:カルタ  
作成日時:2017年8月27日 10時

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