36.ホンマル ページ38
「それで…その大倶利伽羅をこちらにも連れてきて、どうしようと」
役人「そう！それについてなんだがな…」
画面を消した国永は、人差し指を立てて身を乗り出してきた
少し驚いていると乗り出した身を引いて椅子に深く腰を下ろし腕をくんだ
役人「いやぁ〜……断られるのも承知の上なんだが、こればっかりは上からの命なんだ…
浅井の本丸の全総力をかけて
この本丸を潰して欲しいんだ」
「……潰すんですか？一つの本丸を？」
役人「お？あまり驚かないんだな」
今まで幾度の死を見てきた私にとっては大きな事ではない、ただ非のない刀剣達が犠牲になるのは私としても避けたいところだ
役人「さっき見た本丸の様子だとあっちが事を起こすのは近いうちだろう、現に大倶利伽羅も鶴丸国永も来ている…相手も動いているという事だ」
「厳密には…その本丸は何をしているんですか？」
私のその言葉に、国永は首を横に振った
役人「残念ながら俺にもそれは分からない、ただ…もしかしたらあそこの審神者………、
時間遡行軍を出しているのかもしれない」
「…………」
時間遡行軍をだす…そんな事が可能なのか
役人「これも見てくれ」
言いながらまた腕を動かす
真っ暗だったら画面が再び映し出したのは、さっきの本丸とその周辺の地域
その地域には最近出現している遡行軍のマークが付いていた
役人「これはここの所の遡行軍の足取りだ…出るたびに一応倒してはいるんだが…おかしいと思わないか？」
「…おかしい」
とくに大きな歴史の変化のない場所にいくつもの遡行軍が出現している
しかもこの本丸を中心として
このまま遡行軍が出るたびにどこかの本丸が出陣する筈だ、それらをおびき寄せるためなのか分からないが、遡行軍の出現する場所が、どんどん本丸の敷地に近づいている
役人「な？…上の奴らも警戒しているようだが誰も行動に移さないんだ
なぜかって
それは皆失敗したくないからだよ」
国永は続ける
役人「まぁ誰しも、せっかく手に入れた政府での地位に泥を塗りたくはないよな。だから怖がって動かないんだ」
国永の口調は、それが面白おかしいというようにも、呆れて苦笑、というようにも見えた
しかしこれで、どうしてその役がここまで回ってきたのかがわかった
「…成程、それで私に″本丸破壊″という無理難題を押し付けたという事ですか」
役人「話が早くて助かるぜ」
国永はそう含み笑いを浮かべてみせた
役人「ま、期待してるぜ。浅井」
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琴葵(プロフ) - 面白すぎて一気にシリーズを見てしまいました！！！更新楽しみに待ってます！！！！！！！！ (2019年5月27日 19時) (
レス) id: b0ea0349a7 (このIDを非表示/違反報告)
千歳 - すごくおもしろいです！続編が読めないんですが私だけですか…?… (2019年5月25日 14時) (レス) id: 0f5e08b4d3 (このIDを非表示/違反報告)
滅月(プロフ) - とっっても面白いです！もっと評価されるべき…!! (2019年5月16日 21時) (レス) id: cd11303192 (このIDを非表示/違反報告)
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