30.イヘン ページ32
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いなくなった鶴丸から話を聞いていた大倶利伽羅も以前、主の奇妙な行動を見たことがあった
それは、夜遅くのこと
たまたま厠へいこうと起きた大倶利伽羅が廊下を歩いていると、庭を審神者が歩いているのをみた
どこへ行くんだと不振に思った大倶利伽羅は様子を眺めていると、審神者は大倶利伽羅に気づく様子もなく、本丸のはしにある小さな蔵へ向かって歩いた
その時は特に何も思わず、素通りして厠へ行った
しかしその帰りで、大倶利伽羅は見た
さっき審神者が向かった方向に、今度は鶴丸国永が向かうところを…
時間をずらして向かっているのか、ただたんに一緒の方向に散歩に出かけたのかは分からないが、大倶利伽羅には、その鶴丸国永の様子がおかしい気がした
足取りはあまり宜しくなく、もしかしたら寝ぼけているだけなのかと思った程だ
声をかけようか迷ったが、大倶利伽羅はそのまま鶴丸のあとを追いかけることにした……
・・・・・・・・・
鶴丸は、蔵の前で止まった
最初はその周りをウロウロしているようだったが、そのうちぴたっと止まると蔵の中に入っていった
幸い扉は半開きだった
大倶利伽羅はこっそりそのから中を覗いた
その時、大倶利伽羅は見なければと後悔した
見なければと何も考えることも無かった、気づくこともなかったのに…、でも見てしまった
中では、座り込んで動かない鶴丸とその目の前で札を置いて黒い陣をつくる審神者の姿
鶴丸は、無数の黒い鎖に繋がれていた
意識がないのか、首はたれ顔が見えない
その正面で審神者は黒い陣を出し、そこに黒い札を何枚か貼り呪文を称える
その時陣の中心から黒くぼこぼこしたものがはい出てくる
息を飲んでその様子を伺う大倶利伽羅
そのぼこぼこしたものは、無数の鎖を伝って意識のない鶴丸へと這い上がっていく
白い彼に、黒い未知のものが沢山と吸収されていく
吐き気がして蔵から離れた
見ていると何かがこみ上げて来るみたいで、
それでいて蔵の中は変な匂いが充満していた…
なんだあの匂いは…
嗅いだことがある臭いだと思い考えてみるも、人か何か動物などの、死肉のような臭い…
にしか考えられなかった
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琴葵(プロフ) - 面白すぎて一気にシリーズを見てしまいました！！！更新楽しみに待ってます！！！！！！！！ (2019年5月27日 19時) (
レス) id: b0ea0349a7 (このIDを非表示/違反報告)
千歳 - すごくおもしろいです！続編が読めないんですが私だけですか…?… (2019年5月25日 14時) (レス) id: 0f5e08b4d3 (このIDを非表示/違反報告)
滅月(プロフ) - とっっても面白いです！もっと評価されるべき…!! (2019年5月16日 21時) (レス) id: cd11303192 (このIDを非表示/違反報告)
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