22.シニガミ ページ24
「……あんなに立派だった木も指先１つ触れるだけで死んでしまう、世界はとても脆いのです。人間も、植物も動物もすべて。そして私も、貴方も」
こんなに蒸し暑くて耐えられない程なのに、目の前の枯れた木と浅井だけは冷たく見えた
鶴丸「アンタは一体何者なんだ、何が目的で審神者になった」
手袋をし直した浅井は、俺の顔を見ることもせずただ黙って夕焼けの方に向いた
影が長く伸びている
「鶴丸、あなたは人間が憎いですか」
そして突然こんなことを聞いてきた
前にも似たような事を聞かれたような気もする
俺は少し口篭る、今までだったら普通に肯定できたはずなのに、彼女の、浅井の横顔を見ていたらそんなことも出来なくなった
恐らく最初から分かっていた
憎い…それよりも大きい 人間に対しての感情
浅井が口を開く
「私は、人間が羨ましいです」
そうら俺もそうだ
生は短いが、その短い人生を一生懸命生きる人間が羨ましかった
時間というのは、たった短時間でも大きくなにかを変えることもあれば、物凄く長い時間を費やしたのに何も得られないこともある
そして俺は多分、後者のほうだった
笑って、泣いて、俺の周りで忙しなく生きる人間
いつ死ぬか分からないのに、何よりも幸せそうで何よりも美しかった
だからそんな人間を羨み憎んだ、それはただの嫉妬だということも薄々気づいていた
本当は俺も、1人の主に仕えて前の主と呼べる人が欲しかった
そのたった1人で良かった
「あなたのおっしゃった通り、私は不老です。不死という訳では無いですが、死んでもまた死神として生まれてきます。死神は死んでも人間にはならないのです」
死神…今まで生きてきて 少しだけ聞いたことがある
それは人間と同じ容姿だが、死神にあったりその人の近くに死神がいると近いうちに死ぬ…と
なんでも死が近い人の目の前に現れるそうだ
「私は恐らく、あなたが思っているような死神ではありません。というのも語弊がありますが…もとは確かに私も死ぬ人の前に現れていました。それが仕事だったからです」
まるで俺の心の中を読んだように答えてくる
どういうことだ元はって、仕事だったのか
「なにしろ私のこの手は特殊らしく…厄介がられていましたので仕事をやめさせられました。本当は死んでもう一度また別の死神になる予定だったのですが、たまたまこの裏本丸を任されました」
だから私はまだこうしてここにいるのです。
浅井はその間、一度もこっちを振り返らなかった
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琴葵(プロフ) - 面白すぎて一気にシリーズを見てしまいました！！！更新楽しみに待ってます！！！！！！！！ (2019年5月27日 19時) (
レス) id: b0ea0349a7 (このIDを非表示/違反報告)
千歳 - すごくおもしろいです！続編が読めないんですが私だけですか…?… (2019年5月25日 14時) (レス) id: 0f5e08b4d3 (このIDを非表示/違反報告)
滅月(プロフ) - とっっても面白いです！もっと評価されるべき…!! (2019年5月16日 21時) (レス) id: cd11303192 (このIDを非表示/違反報告)
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