10.シンギ ページ12
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彼を見送ったあと、私は縁側に横たわる
木の匂いとは太陽に照らされた後のような匂いが残って温もりがある気がした
夏でも冷える手先で、縁側を滑らす
鶴丸国永、彼は可愛そうな人だ
強がってはいるが、本当はとても弱い
彼を積み木に例えるとするならば、いつ倒れるか分からない隙間だらけのボロボロ、私が続いただけでガラガラと崩れ落ちてしまうような白いお城
寝転がりながら月を見上げる
その時、ぐわっと暗くなったかと思うと、薬研の顔がドアップで現れた
「…薬研藤四郎」
薬研「こんな所で何してるんだ、浅井」
そう言うと薬研は隣に座ってきた
寝ているのも悪いので私も起き上がる
「貴方もこんなところまで来るなんて珍しいですね」
私の部屋は刀剣男士達の部屋と割と離れている
だから、ここまでくるのは珍しいのだ
薬研「なんとなくだ」
そう言うと、薬研は月を見上げながらぼーっとしだす
彼の問題はここにあった
ふと気を緩めるとぼーっと、どこかへ飛んでしまう
心ここに在らずとはこの事だ
何を思って何を考えているのは知らないが、そのせいで審神者にふた振り目と交換としてこちらへやって来た
ただ、それだけでこの本丸に来るというのも変な話である
この本丸には、色んな問題を抱えた者がやって来るが、彼はまだ易しいほうである
中には食人や半分堕ちているものまでいるのだから
二人で何も話さず、静かに月を眺めていると
我に帰った薬研がこっちを見てきた
薬研「浅井、お前は…俺のことを変だと思わないんだな」
「私は、皆違って皆いい、と思ってますからね」
薬研「…………」
彼はじっとこちらを見てきたあと、「なぁ」と口を開いた
薬研「浅井…いや、大将って呼んでいいか？」
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琴葵(プロフ) - 面白すぎて一気にシリーズを見てしまいました！！！更新楽しみに待ってます！！！！！！！！ (2019年5月27日 19時) (
レス) id: b0ea0349a7 (このIDを非表示/違反報告)
千歳 - すごくおもしろいです！続編が読めないんですが私だけですか…?… (2019年5月25日 14時) (レス) id: 0f5e08b4d3 (このIDを非表示/違反報告)
滅月(プロフ) - とっっても面白いです！もっと評価されるべき…!! (2019年5月16日 21時) (レス) id: cd11303192 (このIDを非表示/違反報告)
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