恋人役、頼まれました part2【APH 】アメリカ

86★鍵 ページ41

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「はぁ〜…結局見つかんなかった」


「ん〜どうしようか」


時刻はもう6時半を回っている

あんな茶番のような事件は無事解決し、他の生徒はとっくに帰っている


こんな暗い時間まで探させてしまって割と申し訳ない


「アル、ごめんね…私が勝手に無くしたのに」

「謝ることじゃないんだぞ！」


そういってアルフレッドは笑ってくれる

いつもそう、私には弱味を見せないんだ


私には頼ってって言ってくるくせに、肝心なことはいつも教えてくれなくて…

その癖、いつも人のこと考えてる

皆には自己中とかKYとか言われてるけど

私にはわかる…


彼はいつも、本当に大事なことは隠してる……


ってこんなことかんがえてる場合じゃなくて



「…どうかしたかい？あ、今日走り過ぎて体調悪いのかい？」


彼はそういって私の顔を覗き込んできた


「いや………むしろ」


「…え？なんだい？」

彼がそう言い終わる前に、彼のおでこに手をのせた



「具合が悪いのは、あなたのほうじゃなくて？」


「…へ？」


突然のことに驚き、間抜けな声を出すアル

おでこにあてた手のひらから伝わる、熱い体温


…やっぱり、風邪だ


いつからだろうか、朝から？

だとしたら今日走り回って悪化したはずだし、たった今だってこんな時間まで休まず鍵を探してくれている


「私と一緒に鍵を探してくれるのはすごく嬉しいんだけれど、このままだと悪化するわ」


「……A、気づいてたのかい？」

「気づくって言うか、毎日隣にいるんだから嫌でもわかるわよ」


その言葉に何故か恥ずかしさを感じる


「あ、いや特に深い意味はないけどっ……」

何故か彼も少しだけ赤くなる


「っとにかく！鍵はもう新しいの作ってもらうから、今日はもう帰りましょう」


そういってアルの手をひいた


「えっ？君今晩はじゃあ…」


「鍵作るまであなたの部屋よ、貴方の食生活をなんとかして風邪を治さないといけないもの」

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