【第五人格】ジョゼフさんと一緒！ (ページ5)

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そう、庭園で会った男性だ。

「…あっ、すみません、勝手に…」
「いい！そのままずっと写真を見てて」

「え…？」
「いいから」

彼の言った通り、ただ写真を見た。
一枚一枚、異なる鮮やかな写真を見た。その度に何らかの音が聞こえた。

「…ありがとう。もういいよ」
「えっと、あの…」

「いい写真が撮れたよ。ありがとう」

はい、と彼に渡された写真の中には、ただ彼女が写真を見ているところの写真。
それを見ても彼女は何も思わなかった。

「とても美しい」
「え？」

「写真を見てる君は、とても綺麗だった」
「そんな…、これのどこが」

彼女は彼の言葉を理解できなかった。
いつもと違って可愛い衣装を着てないし、髪型だってただのストレート。

これのどこが綺麗だというのか彼女にはわからなかった。

「写真を見つめる時の君の瞳は輝いていたし、時々笑みも溢れていた」
「そうですか…」

「そうやって写真を見てくれているのは僕も嬉しいよ。しかし、意識したり作った笑みなんて、何も美しくない」
「……」

「僕はありのままの美しさが好きなんだよ」
「ありのまま？」

「そう、誰かにこう思われたい、思われなきゃって支配されてない、いつもの君みたいな感じではなくてね」
「……っ！？」

彼の青い瞳が彼女を捉えた時、彼女は心臓が潰れてしまいそうなほど苦しみを覚えた。
隠してきた、バレていないと思っていた。

自分はありのままを出していると周囲に見せていた。
でも、彼にはそれがわかっていた。

「着飾らなくていい。ありのままの君でいいんだ」
「で、でも、私は明るくてポジティブで優しくて…誰もが憧れるような女の子でいなきゃ…そうじゃなきゃ誰も私を愛してくれない…」

「僕が愛すよ」
「え？」

「本当の君を僕が愛す」

彼は膝をついて彼女の手を取った。

「僕はジョゼフだ。君の名前は？」
「××…」

「そうじゃなくて、それはどうせ偽名だか源氏名だか言うやつだろう。君の本当の名前を教えてくれ」
「…A」

「A、いい名前だ。僕にありのままのAを見せてくれ」
「はい、ジョゼフさん」

彼女は霞む視界でジョゼフの姿を捉えて、微笑んだ。