【第五人格】ジョゼフさんと一緒！ (ページ15)

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「つまり、僕が他の女性の元へ行って追いかけるのが嫌だから、このようなことをしたと」
「はい…すみません…」

理由を聞いて、呆れた。
たまにバカだなと思うことはあったけど、こんなにもバカな子だとは思っていなかったらしい。

「はあ…A、君はおつむが弱すぎる」
「おつむって…」

「おや、気に入らなかったかい？子どもっぽいAには良い表現だと思ったんだけど」
「子どもじゃないです…」

「子どもだろう？まるでおもちゃを取られたくないから、卑怯な真似をする子どものようだ」

ジョゼフの青い瞳がギラリと彼女を捉えた。
それはいつもの優しい瞳じゃない。

いつもわがままを受け入れてくれるような優しさも、ピエロにいじめられてぐずってる時にあやしてくれるような温かさもない。
本当にジョゼフは怒っているのだと、彼女は悟った。

彼女にとってそれはピエロにいじめられるより、なによりも嫌なものだった。

「ご、ごめんなさい…」
「やっていいことと悪いことがある」

顔をうつむかせ、声は震えているが泣いてはいないようだ。
その様子の彼女を見て、はあ、とため息をついた。

「いいか、A。よく聞くんだ。これは僕の"仕事"だ。他の女性を追っかけたところで、ただ仕事をこなしているだけで、それ以外何も思ってない」
「はい…」

「もしかして僕が他の女性に乗り換えるとでも思ってるのかい？だったら心外だな」
「そんなんじゃないです…」

「…もうこういうことはするんじゃない、いいね？」
「…はい」

本当に反省をしていると判断したのか。それともジョゼフが彼女に対して甘いのか。それはどちらも正解だと言えるだろう。
彼女の頭を優しく撫でたことで、ジョゼフがもう怒ってないことを理解した彼女は、ごめんなさい、と小さく呟いてハグをした。

「その代わり、バツとしてしばらくキス禁止だ」
「えっ？いや、まっ…えっ？」

「キス禁止」
「無理です、いや、無理です！死んじゃいます…」

「僕だって嫌だけど、お仕置き」
「そんなあ……」

怒ったときよりもしょんぼりする彼女。
これでもう変な悪さはしないだろう。

「ハグや添い寝はいつも通りしてあげるから」
「…お風呂は？」

「…大胆だね。いいよ、一緒に入ろう」

この試合の結果はいつも通り負けに終わった。
彼女の肩を抱き、ステージを後にするジョゼフ。

飴と鞭は必要だなと学んだジョゼフ。
しかし彼女に飴9割、鞭1割しか与えていないことに気づいていないのであった。