【第五人格】ジョゼフさんと一緒！ (ページ12)

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｜(ごめんなさい) ページ12

美智子の説明を促されたところで、ジョゼフは彼女の前まで歩みを進め、重たい口を開いた。

「今日の昼間はごめん。少し急いでいて…いや、これは言い訳だな…」

みんなの視線を感じつつもジョゼフは事の流れを説明しだした。

「こんな感じで渡したくないけど…、これ」
「…え？」

ジョゼフから差し出されたのは、ラッピングされた小さな箱。
すぐにそれは自分へのプレゼントだと理解した。

しかし彼女は一つ気になる点があった。

「な、なんで…？え…？」
「昨日バレンタインだっただろ？」

「いや、え？だってバレンタインだから…、逆チョコってことですか…？」
「え？」

「え？」
「ちょっと待ちなさい、話がややこしくなりすぎ」

頭の上にはてなマークが見えそうなほど、戸惑う二人のまとめ役として、マーサが止めに入った。
そうは言っても、マーサも状況が理解できていなかった。

「えっと、なぜ私にプレゼントを…？」
「バレンタインだからだよ」

「バレンタインだから、私があげなきゃいけないんじゃ…」
「え？」

「え？」
「…なるほど、そういうことか」

再びはてなマークが頭の上に出てきたところで、マーサ、それに美智子は全て察しがついた。

「文化の違いやねえ」
「どういうことですか？」

「日本では、女の子が男の子にチョコを渡すんよ」
「そんな文化日本だけよ。Aがチョコを作る理由聞いてビックリしたわよ」

彼女が住んでいた日本では、女性が男性にチョコを贈るのが一般的だった。
逆にほとんどの国では、男性が女性に花束などを贈るらしい。

「でも問題はそこじゃないやろ？ジョゼフはんの昼間の態度や」
「そうだね、それ開けていいよ」

ジョゼフから受け取った箱のリボンを解き、フタを開けると、月明かりに照らされてキラキラ輝くバレッタが入っていた。
月の光で青色、黄色、白色の宝石が反射してとても綺麗だった。

「これ…どうしたんですか…？」
「作ったんだよ。これで、今日ほとんど会えなかったんだ」

何日も前からバレンタインの用意をしようと思っていた。
しかし、ここにはプレゼントできるような花もアクセサリーも何もない。

どうしようかと途方にくれている時、自分で何か作ればいいと思い立ったそうだ。
それでトレイシーに知恵を借り、このバレッタを作り上げたらしい。