消えた初恋と始まる初恋(道枝) ページ9
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道枝side
｢しゅん｣
道｢どないした？｣
｢別れよっか｣
俺の初恋は幕を閉じようとしている。
道｢待って、なんで？？｣
｢好きな人ができた｣
道｢だれ....？？｣
Aちゃんにとって、
俺が初恋じゃないのは分かってる。
先輩で4つ年上のA。
関ジュの先輩たちが言うには、
｢恋多き女の子｣って話やった。
そんな、Aちゃんと付き合ったときは
先輩たちから色々言われたけど
俺は選んで貰えて嬉しかったのに....。
｢あんな、しゅん....｣
道｢なに？｣
｢私の初恋の相手｣
嫌や、聞きたくない。
俺じゃない誰かの話なんて。
やけど、Aちゃんは....
｢初恋の相手から、
キレイになったなって言われて｣
道｢うん....｣
｢あのときのAは、
まだまだ幼かったから
本気にしてへんたって言われた｣
道｢そうなんや....｣
｢やけど、今なら気持ちに答えられる。
彼氏が居るのも分かってるけど、
付き合うか考えてみてっていわれて｣
道｢うん....｣
｢ごめん、しゅん。
初恋って叶わないもんやと思ってた｣
道｢どうやろ？
俺は、Aちゃんに叶えて貰ったで｣
｢そっか、でも別れたら意味なくない？｣
道｢いや、少しでも
一緒に居られて良かった。
今まで、ありがとう。｣
｢じゃあ、また明日からは
メンバーとしてよろしくね｣と
その場をAちゃんは去った。
Aちゃんにとっていい男であるために、
｢少しでも一緒に居られて良かった｣って
言ったけど ほんまは嘘やで。
でも、Aちゃんは初恋を叶えてな。
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作者名：ゆる | 作成日時：2023年7月16日 22時
