真冬に咲く薔薇 (ページ11)

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父とイスマン先生の関係性は、仕事上だけに留まらなかったみたいだけど、詳しい話はいつか聞くことにしよう。

悲しみに明け暮れてる私を、あの人は見たくないはずだ。

「シンの想いを、引き継いでくれ」

こうしてNCTのマネージャーとして、携わることになったんだけど…

やはり想像しているよりも仕事は甘く無くて。

毎日3時間寝れれば良い方で、送迎やスケジュール管理、メンバーの体調など気にかけることは多い。

それでもステージの上で、そして裏で必死になっている彼らの姿を見ると、自分でも驚くくらいの力を貰える。

《調子乗るな》《辞めろ》

だからデスクの引き出しの中にあった、これっぽっちの嫌がらせなんて屁でもない。

丸めてゴミ箱に捨てると、どこからか感じる視線。

犯人探しをするつもりもないけど、仕事の邪魔だけはしないで欲しいな。

その程度に考えていた私は、まだ大人の社会というものを完全に理解していなかった。