□生徒会長と後始末 ページ8
神は死んだ。朝の寮長会議といい、この新入生といい、どうしてこんなにも上手く行かない？
厄日だ。サムさんの所に厄除けの品は置いてあるだろうか。
Aが現実逃避をしている間でも、混乱は広がっていく。
闇の鏡によるとユウには魔力が一切感じられないようで、何で魔力なしが？と瞬く間に大騒ぎ。
嘲笑する者、馬鹿にする者、異物を見るような目で見る者など反応は様々だ。
仕方がない。魔力がなくてもこの学校に招かれた客人であることに変わりはないのだし、ここは自分が生徒会長として収集をつけるべきだろう。Aは周囲に聞こえるよう大きく咳払いをして言った。
『学園長、相手側の意見も聞かず物事を進めてしまうのはいかがなものかと。』
彼の声に周囲のざわめきは小さくなる。口を尖らせる学園長に苦笑しながら闇の鏡の前に立って、生徒の方を向いた。
『さて、諸君。ご覧頂いたように我がナイトレイブンカレッジでは日々非日常的な事が起こる。
いかに素晴らしいミドルスクールに通っていたとしても、ここで得られる学びは遥かに良いものとなるだろう。しかし調子に乗って魔力を暴走させたり、なんらかの事件を起こすケースも少なくない。
その際は私や生徒会の役員、並びに素晴らしい先輩方が必ず正しい道を教える事を約束しよう。
これから四年間、名門校の生徒としての自覚を持ち、勉学に励み、楽しく生活できる事を切に願っている。改めて、入学おめでとう。これからの未来に祝福あれ！』
話が終わると同時に、バングルを変形させた杖を天に掲げる。
刹那、その先端から各寮の配色に則った小さな光の粒子が新入生らに降り注いだ。
圧倒的な魔力量に驚きつつも、新入生らは噂に聞く「生徒会長サマ」直々の祝福におおはしゃぎのようで、先程の騒動などすっかり頭から抜けているようだった。
Aの言葉を入学式最後のプログラムとし、閉式の言葉が述べられる。
副寮長に各寮の引率を任せて、寮長にはそのまま鏡の間に残ってもらうと学園長が決まりの悪そうな顔で恐る恐る言った。
「あのお、ゴーント君？怒ってます？」
『いいえまさか、ええ怒ってませんとも。貴方には元々期待していませんから。』
「ひどい！」
「それについては同感ね」
「シェーンハイト君まで！」
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←□生徒会長と入学式
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 108人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桔梗(プロフ) - あおいさん» コメントありがとうございます！大変励みになります。これからも本作をどうぞよろしくお願いいたします。 (2月17日 21時) (
レス) id: 8a1a5efa6e (このIDを非表示/違反報告)
あおい - コメント失礼します！とても面白いです！！素敵な作品をありがとうございます！お体に気をつけて更新頑張ってください！ (2月16日 20時) (レス) id: 63ae223e49 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桔梗 | 作成日時：2024年2月12日 23時
