コンビネーション【短編集】 (ページ27)

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女の子の日。【山本】ページ27

お腹が重たい。腰がだるい。
それは女子にとって、
なんとも憂鬱な日である。

監督「A、ボール拾い頼めるか？」

「あーい…」

監督にも言えないこのだるい感じ。
あぁ、あたしはなんで女に生まれたの。←

柳「…おい、」

「あい、」

柳「熱でもあんの？」

「ないよ、全然」

柳「なんかあんの？」

「何もございませんよ」

柳「あそ。顔死んでんぞ。すげーブス」

「もうなんとでもおっしゃってくださいませ」

マサはこんな憎まれ口を叩くけど、
あたしの異変に一番早く気づいてくれる。

柳「無理はすんなよ」

最後にはとても優しい言葉をくれたりする。
こいつは女の扱いを分かっている。

みんなから容赦なく打たれるスパイク。
もちろんあたしは
レシーブなんてできるわけもなく、
バウンドしたボールを取りに行くだけ。

監督「Aっ！！」

「えっ、どわっ！！！」

ああ、肋骨粉砕かなぁ。
ああ、すげー痛い。
誰が打ったんだろう。

ああ、しょーへーかぁ…

将「Aっ！Aっ！！」

「へへ、大丈夫…だよ、たぶん」

将「Aっ！おいっ！！」

あたしの意識は遠のき、
暗闇に堕ちていった。

「…ん、」

将「Aっ！！！」

「あれ…しょーへー、どしたの」

将「ごめん！本当にごめん！！俺がちゃんと確認しながら打ってればっ…」

「ああ、しょーへーが打ったんだ(笑)」

将「お腹…大丈夫？」

「全然大丈夫だよ？」

将「いや、その…マサが…」

「マサ？マサがどうしたの？」

将「えっと…Aは女の子にとって苦しい日だからちゃんと大丈夫か確認してきた方がいいって…」

「…(あの慶應野郎…初めから分かってたな…)」

将「な、なんて言えばいいかわかんないんだけどさっ…その…無理はしちゃダメだし！！ボール拾いでもやっぱり…やっぱり無理しない方がっ…」

「ありがとー。しょーへー。」

将「…(｡-_-｡)」

「薬飲めば少しは楽になるし、気にしないで？みんなに協力したいから！」

将「う、うん…」

「しょーへー、可愛いね(笑)」

将「なっ、(O_O)」

「女はいろいろ大変なの！」

将「そ、それはもう…。頭が上がりません」

コートの中では冷静なひと。
コートの外でもお兄さん的存在のひと。

異性の異変に気づいた時、
彼はこんなにオドオドしてしまう。

可愛さの塊。