続き ページ30
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物理的な力で拘束するつもりは無いのにAの首にかけられている手の意味。
そんなものはこの世界で生きているものなら誰もが予想できた。
そう、個性だ。
「(くそ…っ)」
手を浮かせているため、おそらく対象に触れることで発動する個性なのだろう。そして個性を発動させようとしているのは攻撃を受ければ高確率で命を落とすであろう場所。
迂闊に動くのは危険すぎる。
そう判断したAは自分に跨る目の前の男を、ただ睨みつけることしかできなかった。
「なんだ、もう抵抗しないのか」
「……したところで離す気もないくせに」
「ははは、そりゃそうだ…」
乾いた笑いを漏らしながら、男はAの首にかけていた手の指を一本ずつAの首にゆっくり貼り付けはじめた。
その行為にAは息を呑み、己れの死を悟る。
「(このくそサイコ野郎…！！頼むぜ俺の個性、2回目もちゃんと発動してくれ…！)」
心の中でそう念じながら、Aはぎゅっと硬く目を瞑った。と、そうした瞬間Aの体にかかっていた重みがふっと無くなる。
「？」
不思議に思ってAがそっと目を開けると、さっきまでAに跨っていた男が立ち上がってAを見下ろしていた。
「やっぱいいや」
「……は？」
「殺す気失せた、さっさとどっかいけ」
そう言うと男はひらひらと手を振って踵を返して歩き出した。Aはと言うとポカン、として体を半分起こした体制で去っていく男を見つめていた。
「な、なんだよあいつ……」
少しの間そうしていたAだったが、本来自分が外に出てきた意味を思い出してスッと慌てて立ち上がる。
「(とりあえず助かったみたいだし、早くゴキジェッ◯買いに行かないと…)」
そんなことを考えながらコンビニへと走り出したAは、自分のポケットのあるものがなくなっていたことに気づかなかった。
この時それに気づいていればこの後の運命を変えられたのか。はたまた気づいたとしても変わることはなかったのか。
それは誰にも分からない話。
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「黄泉路A、か……」
グレーの髪の青年の、白のカバーが付いたスマホを見ながら呟かれたその言葉は、深夜の誰もいない街に溶けて消えた。
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ミチルンルン(プロフ) - えぇちょー可愛いやんけ主人公もう更新なさらないのですか？ (2022年2月21日 19時) (
レス) @page31 id: 107ef6d634 (このIDを非表示/違反報告)
よひらもち - �△裡河辰泙覇匹濬�えました！障子君のこと、このお話を読んですごく好きになりました！続きの更新を楽しみにしています^ ^あと、イラストとても可愛くてカラーとかちょっと感動しちゃいました！ (2018年5月6日 1時) (レス) id: 39690ec0aa (このIDを非表示/違反報告)
☆のん☆(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて睡眠時間削って読んじゃいました笑更新待ってます！頑張ってください！ (2017年11月19日 1時) (レス) id: a06af2fe7f (このIDを非表示/違反報告)
るんば(プロフ) - めっちゃ面白いです！夢主くんかわいいぃ〜♪更新がんばってください！応援してます☆ (2017年10月17日 19時) (レス) id: 2e90c8097f (このIDを非表示/違反報告)
名無し - すごく面白いですね！頑張ってくださいね！ (2017年8月21日 12時) (レス) id: 3e01ddb448 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：嘉藤和可菜 | 作成日時：2017年6月21日 19時
