ウチの息子は (ページ9)

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「おじゃましまーす！」

シゲの家に入り、祐はテンションマックスで走り回っている。

「お家の中走り回んないの！」

慌てて私も靴を脱いで中にあがり、祐を抱き上げた。

「久々にシゲん家きた。懐かしい。」

「A先生、来たことあるの？」

「昔、ムリヤリ連れこまれて…」

「神妙な顔で意味深なことを言うんじゃない。
小山も穢らわしいものを見るような目で俺を見るな。」

「実は俺も、Aと一緒に…」

まっすーも乗り、小山先生は更にテンパる。

「え？3ぴ「祐ーー！何も聞こえないよー！」

小山先生の話に、大慌てで祐の耳を手で塞ぐ。

「Aちゃん！慶ちゃん何言ってるの？！」

危ない危ない、5歳の子にエゲツない下ネタ聞かせるところだった。

「進級できるか怪しかったこの2人が、定期テスト前日に遊び呆けてるところを見つけたから、ここに連れてきて勉強させたことあるだけ。」

シゲが呆れながら、小山先生に言った。

「まあ、間違ってはないけどね。
ムリヤリ連れ込まれたってのも。」

「そうなんだ、ビックリした…」

「ねー！もーいいの？！」

あ、耳から手を離すの忘れてた。

「ごめんごめん、もういいよ。」

「じゃあ、探検してくる！」

なんの「じゃあ」？

「よーし、じゃあ先生も一緒に探検しようかな！」

……一人称が先生？

うわー！あのまっすーが保育士してるよ！

「おい、なんで二人して笑ってんだよ！！」

シゲと二人で吹き出したのを見て、まっすーが顔を赤くする。

「ごめんごめん、あの増田が保育士っぽいからつい笑」

「いいんじゃないかな、まっすー先生笑」

「今のは職業病みたいなもんで！」

「まっすー、行こ！」

そして更に面白いのが、一人称は先生のクセに、祐からはまっすーって呼ばれてること。

「リビングとか風呂とかはいいけど、奥の部屋には入っちゃダメだからな。」

「えー…ダメって言われるとやりたくなるのに…」

「お約束。ん？どうした？」

祐がシゲに、小指を差し出している。

意図に気づいたシゲも、祐の小指に自分の指を絡ませた。

可愛いから、動画撮っておこ！

「「ゆーびきーりげーんまん
うそついたらはりせんぼんのーます
ゆびきった！」」

よし、撮れた。

シゲは恥ずかしさを捨てきれず挙動不審で、そこがまたいい。

「俺はメシの用意するから、そっちは頼んだぞ。」

「私もご飯手伝うよ。」