ウチの息子は (ページ7)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:10,605 hit

お隣さんのお宅訪問ページ7

授業を終えて保健室に戻ると、祐は小山先生の膝の上で絵本を読んでもらっていた。

シゲも保健室に残って書類仕事を進めていたみたいだ。

「ただいまー。良い子にしてた？」

「良い子にしてたってより、良い子にされたって感じかな？」

小山先生が苦笑いし、祐はイタズラがバレたときのようにソッポを向く。

そういえば、祐の目元が赤い。

イタズラしちゃって叱られて泣いたのか。

「何したんですか？」

「そこの箱庭療法用の砂を振りかけてきたから。」

わぉ、想像以上。

パソコンから顔をあげて答えたシゲの髪に若干砂が残っているから、シゲが被害にあったのか。

「シゲ、怖かった…」

そりゃ怒るわ。

「でも、もう良い子になったもんね。」

泣きそうになった祐を、小山先生が頭を撫でてとめる。

「ごめんね、シゲ。」

「いや、学生時代のお前の所業と比べたら…」

「ストップ！こっから先は教育に悪いから！」

危ない危ない。これだから、昔を知ってるヤツは。

「じゃあ小山先生とシゲにありがとうして、お家帰ろっか。」

「えー…祐、もっと慶ちゃんと遊びたい！」

「ワガママ言わないでよー。
小山先生も忙しいんだから。」

「いいよ、気にしないで。
なんなら、明日はお休みだし家に遊びにくる？
どうせ、職員寮の同じフロアだからすぐでしょ。」

「行きたい！行きたい！」

「でも、さすがにご迷惑ですよ。」

「いいのいいの。
俺も祐くんと遊んでたいし、一人で弁当買って食べるのも味気ないからさ。」

「なら、俺の部屋くるか？
それこそ、1人でメシ作って1人で食べるのも味気ねないし。」

「シゲは部屋が隣だもんね。
じゃあ、そうしよっか。
いつもごちそうさまです！」

「本当にいいの？」

「小山はしょっちゅう来てるしな。
祐也くんも、ストレス発散のために気分転換できるんじゃないの？」

シゲが、小声で囁く。

たしかに、祐にとってはすごく楽しいことで…って、そんなに喜んでない？

「祐、どうしたの？嬉しくない？」

「怒んない？」

なんだ、それ気にしてたのか。

ビビリながら聞いてるのがまた可愛い。

「良い子にしてたら、怒んないよ？」

シゲが頭を撫でながら言うと、祐は笑顔になって頷いた。