突然のお熱 ページ2
そろそろ授業に行かないと、と作業していたパソコンを閉じて立ち上がったとき、ちょうどスマホが鳴った。
これはかなり嫌な予感がする。
やっぱり保育園からだ。
「もしもし、A？」
「まっすー、祐になんかあったの？」
「うん、普段と様子が違うから側に行ってみたら、体が熱くて。
いま熱を測ったら、38.2℃あった。」
マジか…これから授業なのに、どうしよう？
こういうとき、頼れる両親も夫もいない大変さを痛感する。
3時間目も4時間目も授業あるから、終わってからとなると昼休みになっちゃう。
それじゃ遅すぎるし、第一祐を早く病院に連れて行ってあげないと。
いつもは超がつくほどヤンチャなのに、祐は病弱だ。
でも、授業休む訳にいかないし…
「電話、保育園から？」
気づけばシゲが授業から戻って来ていた。
「ごめんまっすー、ちょっと待って。
息子が熱出したみたいで…」
「次、授業あるの？」
「3時間目も4時間目もあります。」
「そこなら俺空いてるから、振り替えてやる。
午後は？」
シゲが気を利かせてくれたけど、そんな勝手なことしていいの？
「6時間目に入ってますけど、いいんですか？
そんな迷惑かけちゃって。」
「まさか、A先生の口から迷惑なんて言葉が出るとはな。
成長した成長した。」
シゲは笑っているけど、質問の答えになってない。
「こういうときは、甘えちゃえばいいんだよ。
病院行ったら、午後は保健室に連れておいで？
仕事終わるまで、みてるから。」
小山先生まで、そんなありがたいことを言ってくれる。
「行ってこい。」
「ありがとうございます。
まっすー、今から行くから。」
シゲに鞄を押し付けられ、私は保育園へと急いだ。
保育園につくと、祐はまっすーの腕の中でグズってた。
「祐ー、迎えきたよ。」
「Aちゃん…」
私の方に腕を伸ばしてきたので、まっすーと入れ替わり抱き上げると、私の胸に顔を押し付けた。
「ありがとね。」
「仕事大丈夫だった？」
「うん、シゲが授業変わってくれて。
午後も、保健の先生が見ててくれるって。」
「へー、あのシゲがねぇ。
まあ、厳しかったけど優しいところも結構あったからな。」
そういえば学生時代、まっすーと一緒にしょっちゅう補習させられてたっけ。
「…そういえば、小児科ってどこが人気？
まだこっちに戻ってきてから2週間だし、私が子供の頃に行ってたところ、無くなってたし。」
「相変わらず抜けてんな。
高校の近くのコンビニ隣にある山下小児科、いつも混んでるぞ。」
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作者名：作者 | 作成日時：2018年12月10日 16時
