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成亮Side
「シゲ！宿泊研修のこと、先生達と相談してくれたんでしょ？！
ありがと！」
診察室に入ってくるなり、キラキラした笑顔でそう言った。
その姿を見ていると、こっちまで嬉しくなる。
「どういたしまして。
で、どうする？介助のこととか、もう聞いたと思うけど。」
「それなんだけど、着替えないとかってあり？」
何を言い出すんだ、この子は。
「無しに決まってるでしょ。そんな不衛生な。」
「そりゃ気持ち悪いけど、小山先生に介助されるのイヤだし…」
気持ちは分かるけど、不衛生にしておいて感染でもしてしまったらシャレにならない。
「なんで女の先生じゃないんだろ？」
実は、俺はその件についても話を聞いている。
Aを連れて行くことに、手越先生と小山先生以外の全ての先生が反対しているからだ。
結局は手越先生が、他の先生には迷惑をかけないからと言って押し通したらしく、そのため他の先生には手伝ってもらえないようだ。
もちろん、そんなことはAには言えない。
「シゲから小山先生に、別の先生がいいって言ってよ。」
「なんで俺が言うんだよ。自分で言えば？」
言ったからといって別の先生には変わらないだろうけど、自分で意見を言えるようになって欲しい。
「だって、こんな体でワガママばっか言っちゃダメだもん。」
「遠慮してんの？俺には皆無なのに。」
「面倒見てもらうのに、そんなこと言っちゃダメでしょ？」
だから、俺にはいいのかよ？
まあ、とりあえずそこは置いておこう。
「あのな、Aはこの先、一般社会…まあ普通に元気な人の中に混じって生きていきたいって思ってるんだろ？」
「どういうこと？」
ちょっと、言い方が難しかったようだ。
「普通の会社に就職して、仕事したり遊びに行ったり、恋愛したりしたいってこと。」
Aは、少し黙った。
「うん。できたらの話っていうか、理想だけど。」
「この先ずっと、体が不自由だからって遠慮して我慢して生きてくのか？」
目を逸らそうとするAの顔を覗き込む。
「イヤだけど、しょうがないじゃん。
じゃないと、みんな離れてく。」
「放っておけばいいんだよ。
普通に望んでいることを口に出すだけで、離れてく奴なんて。
それでも、ちゃんと受け止めてくれる人だっていっぱいいるんだから。
小山先生と手越先生もそうだと思うぞ？」
Aは、考え込んだ。
「分かった、自分で話してみる。」
こうして成長を感じたとき、この仕事をしていて良かったと心から思う。
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りん - お話とっても面白いです！これからも更新楽しみにしています(*^^*) (2018年12月15日 18時) (
レス) id: c9b253e116 (このIDを非表示/違反報告)
てい - とても面白くてもっと読みたいです！！応援しています！ (2018年12月13日 15時) (レス) id: 70fd39881e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まる | 作成日時：2018年12月10日 21時
