宿泊研修の準備 ページ5
入学式の翌日、授業がスタートした日の放課後、私は手越先生に保健室に呼ばれた。
保健室では、小山先生が談話用の机に座って待っていた。
「Aちゃん、いらっしゃい。」
「あの、何かお話があるんですか？」
手越先生からは保健室に来てとしか言われてなくて、大事な話がありそうな雰囲気にちょっと驚いた。
「あれ？手越先生、言ってなかったの？」
「あ！忘れてた！ごめんごめん。」
手越先生は、クシャっと笑った。
「いやー、Aちゃんにこの話を通せるとこまで来たのが嬉しくてさぁ。」
「いや、だから話の内容教えてあげなよ。
Aちゃん、再来週に2泊3日で宿泊研修があるのは知ってるよね？」
それはもちろん。
学校が楽しみ過ぎて、何度もパンフレットとか年間予定表を眺めていたから。
だけど、どうせ行けないと分かっていたから、無いものとしていた。
「あることは知ってたんですけど…」
「俺らと、Aちゃんの主治医の加藤先生と相談して、行けるようなプランを立てたの。
ただ、どうしてもAちゃんに我慢してもらわないといけないところも出てくるから、今日お話を聞いて、家に帰ってからお兄ちゃんと相談してみて。」
宿泊研修行けるかもしれないの？
それに、シゲと相談してってどういうこと？
「あはは、びっくりしてる。
加藤先生、昨日入学式見に来たでしょ？
その後、どうやったらAちゃんも行けるか、ここで相談してたの。」
「手越先生が、絶対連れていくって意気込んでたからね。」
「ちょっと！それは秘密じゃないですか！」
手越先生は、耳まで真っ赤だ。
そんな手越先生にまた、今まで感じたことのない感情を持った。
この感情は、いったい何なんだろう。
「とりあえず、要点はざっとプリントにまとめたんだけど。」
小山先生がプリントを私に見せる。
「旅館だからバリアフリーの部屋もあるんだけど、みんなが泊まる部屋は和室だから、Aちゃんは小山先生と同じ、ベッドのある部屋ね。
小山先生、介助とかもできるみたいだから。」
「それと言いにくいんだけど、着替えとかも俺が手伝うしか無いんだよね。
だから、嫌ならムリに行こうとは言わないよ。
他にもいろいろ書いてあるから、お兄さんとよく相談して決めてね。」
小山先生から介助されるのか…
別に小山先生が嫌いな訳じゃないけど、かなり抵抗がある。
いっそのこと、着替えないとかもありかな？
気持ち悪いけどさ。
今日シゲのところに行くから、聞いてみよ。
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りん - お話とっても面白いです！これからも更新楽しみにしています(*^^*) (2018年12月15日 18時) (
レス) id: c9b253e116 (このIDを非表示/違反報告)
てい - とても面白くてもっと読みたいです！！応援しています！ (2018年12月13日 15時) (レス) id: 70fd39881e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まる | 作成日時：2018年12月10日 21時
