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成亮Side
「しげのばかぁ…しゃがれ…」
サボり気味だったセルフケアのせいで、Aは大嫌いな摘便をされることとなった。
当然かなり嫌がって、今はムリヤリされたことに拗ねて泣きながら俺を睨んでいる。
サボっていたという後ろめたさは、彼女の中にはもう無いようだ。
それにしても、もう一回ちゃんと釘を刺しておかないと。
「高校、本当に行きたいと思ってるの？」
「思ってる！」
「だったら、ちゃんと自分の体は自分で守ること。
俺も、錦戸さんも、お兄さんも、Aが自分の体を守るのを手伝ってるだけなんだから。」
「はぁい…ごめんなさい。」
素直に謝ったことに免じて、しゃがれと言ったことは見逃してあげよう。
「他に、相談しておきたいこととかはある？」
「うーん…まだ何に困るのかも分かんないや。」
それもそうだ。
分からないことだらけで不安なことが分かっていても、挑戦するチャレンジ精神はすごいと思う。
「なら、困ったことがあったらいつでもなんでもいいから、連絡して。」
「ありがと！」
「じゃあ、今日もリハビリ頑張って。」
Aを送り出してすぐ、俺はAが通う予定の高校に電話をした。
ちゃんとAのことを任せられる先生なのか、俺も直接確認しておきたい。
事務の人から、保健室に取り次いでもらう。
電話が得意ではないので緊張していると、保留音が止まり男の人の声が聞こえた。
「はじめまして。
そちらの高校の新一年生の増田Aの主治医の、加藤成亮と申します。」
「ああ、Aちゃんの。
どうかされましたか？」
主治医からの電話だからか、小山先生は心配そうな声を出した。
「いえ。ただ、学校生活を送る上で保健室の先生ともお話したいと思いまして。」
「そうだったんですか。
実はこちらも、ちょっとお伺いしたいことあるんです。」
よし、電話の感じからすると、しっかりした先生そうだ。
「来週、入学式の2週間後なんですが、オリエンテーションを兼ねた2泊3日の宿泊研修を行うんです。
Aちゃんは今日の話し合いで触れませんでしたが、やっぱり行けたら楽しいと思うんです。
それと、担任が絶対に連れていきたいと言っていまして。
参加しても、大丈夫でしょうか？」
さっそく、第一の壁か。
「分かりました。
こちらも参加させたいという気持ちはあるので、一度僕たちで検討してから、本人に案を伝えるということでよろしいでしょうか。」
挑戦しようとするAの気持ちに、俺も答えたい。
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りん - お話とっても面白いです！これからも更新楽しみにしています(*^^*) (2018年12月15日 18時) (
レス) id: c9b253e116 (このIDを非表示/違反報告)
てい - とても面白くてもっと読みたいです！！応援しています！ (2018年12月13日 15時) (レス) id: 70fd39881e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まる | 作成日時：2018年12月10日 21時
