《三大美女》 ページ8
キメツ学園の三大美女。入学しようものならすぐに耳に入る単語だ。その美女とは一体誰なのか探してしまうのが普通なのである。そしてまた彼も釣られた1人。
「頼むよ炭治郎ぉ〜！俺一人だと心細いから一緒に来てくれよ！！！睨まれたら立ち直れないぞ絶対に！！！良いの！？！！？ぜっったいに面倒くさいよ！！！！！」
「良くないし、彼女持ちに頼む願い事じゃない気がするんだが…」
善逸の大きな声に引っ張られる片腕。もう片手で耳を防いでみせるが効果はなさそうだ。炭治郎は抵抗をやめ、素直に善逸の隣を歩くことに。だが三大美女と呼ばれる彼女たちも教室に居るとは限らない。もしかしたら移動教室だったり、お気に入りの場所にいるかもしれない。
「目星はついてるのか？」
「いや、まったく」
興味、好奇心、下心で動ける善逸に炭治郎は冷ややかな眼差しを送った。
「な、なんだよその目！！やめろ！俺をそんな目で見るんじゃないよ！！！」
「おーい！炭治郎ー！」
カラフルな髪を見つけ走ってくるのは炭治郎の彼女、嘴平三日月。安全ピンで止められたシャツから分かる零れそうな胸に炭治郎は「廊下は走るな！！！」と珍しく大声を上げた。どこかの嫌われた先生のように。ちなみに善逸が鼻の下を伸ばす前に炭治郎は目隠し済みだ。
「今のめっちゃ冨岡に似てたな〜…あ、そうだ、さっき冨岡が一人でサンドイッチ食ってたの見た」
「俺は何も見えない…」
「頼むから三日月はあまり廊下を走らないでくれ、、それで、冨岡先生が俺たちに用が？」
「ん？冨岡は関係ねぇぞ」
「え？」
「はぁ？何の話してんだ？」
「…てっきり冨岡先生の話を始めたから用があるのかと」
「あ、違う！これからカナヲの姉貴が面白い実験すんだってさ！見に行っても良いらしいから、みんなも行こーぜ！」
「なるほど、そうだったんだな」
「カナヲちゃんの姉………って、確か三大美女の一人じゃなかった！？」
「さん、び…？カナヲもだろ？なんかそんなの言われてたぞ。隣のクラスの奴らがそれで見に来ることあるんだ。有名人かってのー…それで移動遅れたりしてさ」
「え？それって…」
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作者名：イチゴじゃむ | 作成日時：2021年3月31日 4時
