３２ ページ4
数ヵ月ぶりに自分の部屋を訪れた。
荷物を置いて、部屋を見渡す。
「もしかして掃除されてる……？」
埃が溜まっていない。
ジャ「俺がこまめにやっておいた」
「ふふっ、ありがとうございます。なんだかんだ言って、先輩は働き者ですよね」
ジャ「違う……さっきだって、君がカリムと準備するとか言うから……」
ぎゅ〜っと後ろから抱きしめられた。
ジャ「嫉妬じゃないぞ？……俺は、愛する人のためなら労力を惜しまないだけだ」
肩にうなだれてきた先輩の頭を撫でた。
ジャ「ん……」
「先輩、かわいい」
ジャ「なんだって……？」
「二人きりのときにこうやってぎゅ〜ってしてくるの、かわいいし嬉しいです」
ジャ「ほ〜う？」
唇が首筋に触れる。
「っ……！？」
短い痛みを感じたが、すぐ離れた。
「な……な……っ！？」
ジャ「ふっ……Aのほうがずっとかわいいな？」
「またそうやってからかう〜……！」
ジャ「？本心だ。さて、カリムがバカみたいに張り切ってる宴の準備に行くか」
何事もなかったかのように歩き出す先輩の後ろ姿を追う。
「あ……ふふっ」
ジャ「…………」
冷静そうに思えた先輩は、耳まで赤くなっていた。
ーー
ーーー
カ「Aっ、楽しんでるか！？」
賑やかな宴が始まり、寮長が私の側に来る。
「えぇ。とても楽しいです。久しぶりのジャミル先輩の料理もすっごく美味しいです」
カ「だろ？オレの親友のジャミルが作った飯はいつでも美味いよな！」
ジャ「……誰と誰が親友だって？」
カ「オレとジャミル！」
満面の笑みで寮長が答える。
ジャ「友だちになるのすらお断りだって言ったはずだが。そうか、お前の頭では理解できなかったのか、カリム」
カ「そう言うなよジャミル〜……」
「ジャミル先輩、怒りますよ？」
ジャ「なっ……A、カリムの味方をするのか？」
「弱いものいじめをする人は嫌いになっちゃいますよ？」
ジャ「ぐ……わかった。少しは控える。少しはな」
私たちのやり取りを、ぽかんと口を開けて寮長が見ていたが、次第に表情が輝いた。
カ「な、なんかいいな！ジャミルが尻に敷かれてる感じ！良い夫婦になりそうだな！」
ジャ「ゴホッ……」
「夫婦！？って、先輩大丈夫ですかっ？」
むせた先輩の背中を撫でた。
ジャ「カリム……お前な…………」
カ「あー……何かまずいこと言ったか？」
ジャ「バカ、能天気。気が早いんだよ……」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 499人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
sane(プロフ) - すﾝずさん» ありがとうございます！！これからも面白さを交えつつ幸せあふれる話を書けるよう頑張ります！ (2020年6月7日 20時) (
レス) id: e18b026987 (このIDを非表示/違反報告)
すﾝず - すんごい面白いです！！！！更新頑張って下さい！！！ (2020年6月7日 9時) (レス) id: 6823c0d55a (このIDを非表示/違反報告)
sane(プロフ) - ラムさん» コメントありがとうございます！毎日更新していますので楽しみにお待ちくださいませ〜！(*´∇｀) (2020年6月6日 22時) (レス) id: e18b026987 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 話しの続きが気になる (2020年6月6日 22時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
sane(プロフ) - AILEさん» 初めまして、嫉妬ジャミルを可愛いと言っていただけて嬉しいです……！これからも良い具合に嫉妬させますね！(笑)ありがとうございます！更新、頑張ります！！ (2020年6月2日 23時) (レス) id: e18b026987 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さね | 作成日時：2020年6月2日 17時
