これは、可愛い。 シリウスside ページ28
シリウスside
「おまたせ〜」
ジェームズはそう笑いながら俺達の座っている場所に近づいてくる。
ちゃっかりアカネと手繋いでる。羨ましい。
『お兄ちゃん、あたしシリウスくんの隣がいい！いいかな？』
アカネは満面の笑みで兄であるジェームズに問う。
ジェームズは少しためらったが、アカネのおねだりするような瞳に負け、OKを出した。
アカネはやったぁ！と嬉しそうに笑い、俺とピーターの間に入って来た。
隣のリーマスがローブの裾をくいくいっと引っ張った。
俺は何かと思い、リーマスの方に振り返った。
「よかったね、脈ありかもよ？」
「っっっ/////！！！！？」
リーマスの突然の耳打ちに俺は思わず耳を抑えて顔を真っ赤に染める。
アカネは心配そうに俺を覗き込んできた。
リーマスはふふふ、と嬉しそうに笑っていた。
『シリウスくん、どうしたの？』
「い、いや、なんでもない。」
俺は平然を装いながらサラダを皿に取り分ける。
「シリウス、紅茶僕とアカネに入れて〜？」
「ん、ああ。分かった。」
俺はカップを二つ取って紅茶を入れる。
「角砂糖は？」
「うんと、僕は二つでアカネは三つだよね？」
『うん。お兄ちゃん。』
「分かった。」
俺はジェームズに角砂糖を二つ入れたものを、アカネには三つ入れたものを手渡す。
ジェームズはありがとう。と笑って受け取った。
『わっ、あ、あったかい、ありがとうシリウスくん。』
アカネは俺にお礼を言うと、ふーふーと息を吹きかけて冷ましながら一口飲んだ。
ふにゃりと顔を綻ばせた。
「可愛い…」
思わず心の声が漏れ出てしまった。
やばい、どうごまかそう？
『えへへ〜、ありがとう〜//』
アカネはカップを両手で持ちながらニコッと笑った。
もうやめて、俺のライフはもうゼロだ。
そんな俺の心境を知らないアカネはジェームズに取ってもらったトーストにいちごジャムを塗っていた。
『わっ、手に着いちゃった！』
「もう、アカネは不器用だな〜」
ジェームズはそう微笑みながらアカネの手に着いたジャムをどこからか取り出したウェットティッシュで拭いた。
「お前女子力高くね？」
「なんか、ジェームズのキャラに合わないね…」
アカネを挟んでピーターが言った。
その言葉にリーマスもうんうんと頷く。
「心外だ！！ひどいよ君達！！」
「女子力高いのはリーマスだけで十分だろ。」
「うん。お母さんキャラはリーマスだけでいい。」
「キャラって何さ！！？」
シリウスside end
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作者名：ららくらっしゅ x他1人 | 作成日時：2021年3月23日 22時
