いまだにできない ページ13
『むむむ…』
「アカネ、そんなに難しい顔して、どうしたの？」
今アカネはYシャツを着ている。
しかし…ボタンが留められない。
実を言うと、アカネはシャツのボタンを留めるのが大の苦手だ。
『…できない…』
「あぁ、ボタンか。いいよ、こっちおいで。やってあげるから。」
ジェームズはもう着終わったようで、アカネを手招きする。
アカネは素直に従い、ジェームズの方に向かう。
「にしても、いまだにできないんだね。」
ジェームズはからかうように言う。
『だ、だって、難しいんだもん…』
アカネは少し顔を赤らめて言う。
この年になってボタンを留められないのは少し恥ずかしい。
「でも僕はいいよ？アカネのお兄ちゃんって感じのことできるから。」
ジェームズは悪戯に笑う。
アカネはそんなジェームズに思わずふふっと笑ってしまう。
「何がおかしいんだい？」
ジェームズは不思議そうにアカネに尋ねる。
『いっつもお兄ちゃんはお兄ちゃんしてるのに、そういうこと言うんだって思って。』
「え！？僕いつもそんなにお兄ちゃんしてる？」
『うん！ずーっとずーっとお兄ちゃんしてるよ？』
アカネはジェームズに返す。
ジェームズはそうなのかな…？と言いながらまたひとつとボタンを留める。
「はい！できたよ！アカネ。」
『ありがとう！お兄ちゃん！』
アカネが元気よくお礼を言うとジェームズがアカネの事を抱きしめた。
「えへへ！僕の妹はやっぱりかわいいなぁ！」
『えへへ〜//』
きゃっきゃ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「やべぇもう時間なる…」
「落ち着いてシリウス。まだ、まだ大丈夫。」
「あいつら遅すぎだろ！！！」
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作者名：ららくらっしゅ x他1人 | 作成日時：2021年3月23日 22時
