瑛都高校のエイト (ページ10)

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「これ、お願いします。」

本を受け取ったおばさんは、返却日が書いてある紙をはさんだ。

「はい。返却日は守るんだよ?」

「はい、ありがとうございます。」

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本を受け取ろうとしたら、隣から手が伸びて、本をとった。

「ありがとうございます。」

その声は……

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「大倉忠義!まだいたの?」

「えー!大倉くん?

あのエイトの?」

おばさんが叫んでる。

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「おばさん、ここは図書館ですよ!」

おばさんは小さい声で言う。

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「大倉君は緑なんだ。」

「はい♪」

Aはおばさんの言っている意味がわからなかった。

「緑?」

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「エイトになると、ミサンガみたいな腕輪をするんです。あと、バッジも。

僕は緑なんです。ホラ。」

と言って、緑のミサンガ?をAに見せた。

知らなかったけれど、興味のないAは、ふーんと言ったきりだった。

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「なんで、あなたが通っている高校のエイトのことをあなた、知らないのよ。

恥ずかしくないの?」

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おばさんはAに説教を始めた。

おばさんはAが大好きな故にしていることだが、

毎回怒られているAにとって、

それの対応がめんどかったりした。

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