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部屋に戻ったら誰もいなかった。
その代わりちゃぶ台に手紙があった。
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『お風呂、一緒にどうですか?』
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Aはその紙を破って捨てた。
そのときケータイが鳴った。
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「もしもし。」
「もしもしA?」
「優希。どうしたの?」
「初めての寮じゃないか!
どうかなって思って…」
「……。」
Aはため息をついた。
「なになに?なんか失敗しちゃったの?」
そうです。これは失敗です。
「取り戻せないよ。」
「そんなにデカい失敗なの?
まさか大倉と同じ部屋だったとか……
ないよね(笑)」
笑い流す優希。
Aは笑えなかった。
「そのまさかです……」
優希の笑いがピタリと止まった。
「え゛ー!!?」
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まさかを当てた優希をAはすごいと思った。
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「A、いよいよヤバいよ。
絶対に大倉のことを冷たくしないと、ホントにエイトに選ばれちゃうよ。」
「冷たくなんて…」
「大倉がかわいそうなんて、そんなこと思ってる場合じゃないからさー!
いい加減にそーゆーの止めてよねー。」
そうだ。
自分のためにがんばらなきゃ。
「ん。なんとか頑張る。
じゃっ。」
「おやすみー。」
ガチャン、ツーツー。
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Aはケータイを閉じた。
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「ガールズトーク、誰とですか?」
大倉がいつの間にかいた。
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作者名：亜矢 | 作成日時：2012年8月27日 10時
