【スプレーマムの花束を貴方に2】 (ページ39)

今日:5 hit、昨日:5 hit、合計:5,466 hit

85輪目ページ39

翌日の練習は監督の言葉通りはるかにハードなものになった。私達マネージャーも、タオルやドリンクの用意や記録を普段の倍こなすことになった。

監督の隣に立ちながら記録をしていると、呟きが耳を打つ。
「ふむ。やはり個々の能力は高いが…どうも…。まだすべては噛み合ってないといった様子だな。」
「噛み合っていない、ですか。」
「あぁ。」
思わず聞き返すと、監督は頷く。

噛み合っていない…チームプレーのことかな。その言葉の真意を考えていると、体育館に怒声が響いた。

「なぜそんなに所につっ立っているのだよ！今のはお前がスクリーンをかければ俺が完全にフリーだっただろう！」
「はぁ～！？ミドチンこそこっちにパス入れろし！つか、そんなめんどくさいことやんなくても俺が決めればいーじゃん！！」
互いに主張し合う真ちゃんと紫原くん。

「俺が決めたほうがいい！！」
「俺が決めたほうがいいのだよ！！」
2人同時に不満げな声が揃う。

「まあ、要はあいつらのことだが。」
「な、なるほど。」
確かにこれでは噛み合うもなにもない。それにしても2人がここまで怒るなんて、少し珍しい。