【スプレーマムの花束を貴方に2】 (ページ23)

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69輪目ページ23

「どうしよう…まさか追い出されるなんて…。」
「さ、さつきちゃん…。」
魂が抜けたように呆然として歩く彼女。

クレープ作り、人一倍楽しみにしてたもんね。なんとか元気を出させることができないかなと悩んでいると、
「亜麻野さん、桃井さん。カレーを食べていきませんか？」
と聞き慣れた声がする。振り返ると、燕尾服を纏った黒子くんが立っていた。

「テ、テツくん！！」
「はい。」
新鮮な格好の彼を目にすると顔を真っ赤にして慌てるさつきちゃん。どうやら元気を取り戻せたらしい。

「わぁ。黒子くん、燕尾服似合ってるね。」
「うんうん！すっごく似合ってる！」
「そうですか？僕のクラス、カレー店なんですけど執事の格好で給仕しようってことになってて。変じゃないですか？」
そう話しながら袖周り等を確認する彼。

「すっごくかっこいい！！」
「ありがとうございます。それで、よかったら僕のクラスでカレーを食べていきませんか？午前中のせいかお客さんが少なくて。」
「喜んで！！」
「もちろん。」
ふたつ返事で了承する私達。

嬉しそうにはしゃいでいるさつきちゃんを見て、私はほっこりした。