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47輪目 ページ50

今日から黒子くんが1軍に合流する。

彼の努力が認められたんだなと嬉しく思いながら、業務をこなしていると、

「うっ…。」彼が吐いている姿が目に入る。

「く、黒子くん!?」バケツとタオルを持ってすぐに駆け寄った。無理もないだろう。1軍の練習は3軍の練習よりハードだし、テンポも早い。

「大丈夫?」彼の背中をさすりながら尋ねる。

最近は吐かなくなってきてたんだけどなぁ。なんだか懐かしい。

「は、はい…。」そう言う彼の顔は青白くて、思わず苦笑した。




黒子くんが1軍に合流してから1週間後、私達は交流戦のために体育館へ訪れていた。地区の上位10校が行うこの大会は非公式だが、練習試合より熱が入る。

そしてこの大会が黒子くんの初試合になるのだが…。

「灰崎は欠場。よって灰崎の代わりに黒子、行って来い。」
灰崎くんが欠場のため、黒子くんがスタメンとなってしまう。

彼を見ると、極度の緊張で固まっていた。声をかけようとするも、試合開始のブザーが鳴ってしまう。ハラハラしながら見守るも、彼は足がもつれて転んでしまった。

鼻血を出した彼はそのまま選手交代になり、虹村さんに代わった。
「はい、ティッシュ。」ベンチに座る黒子くんにティッシュを差し出す。

「ありがとうございます。」
「やっぱり、緊張してる?」
「はい。」鼻を押さえながら返事をする彼。

「あはは、だよね。けど私、楽しみなんだ。」
「楽しみ、ですか?」
「うん。黒子くんのあのプレーをもう1度見られることがね。」
「亜麻野さん…。」

驚いたようにこちらを見る彼。話してからはっとした。

「あ、ごめんね。プレッシャーをかけるつもりはなくて…。」
慌てて否定すると、
彼は「ふふ、分かってますよ。」と微笑んだ。

そうこうしていると、真田コーチに「もう鼻血は止まったか?」と声をかけられる。

「はい。」
「よし、虹村と交代だ。」
「いってらっしゃい、黒子くん!」
「いってきます。」

笑顔で彼を送り出す。どうやら緊張も少しはほぐれたようだ。

「キャプテン、お疲れ様です。」
戻ってきた虹村さんにタオルとドリンクを手渡す。
「サンキュ。…ふぅ。」彼は息をつきながら腰を下ろした。

私もベンチに座り、試合を見守った。

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作者名:みぃ太郎 | 作成日時:2023年6月22日 13時

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