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43輪目 ページ46

黒子くんと青峰くんが一緒に居残り練習を始めてからしばらく経ち、私はいつものようにタオルとドリンクを持っていった。

すると、黒子くんが神妙な面持ちで、部を辞めるつもりだと話し始めた。

「はぁ、何でだよ!?」「そうだよ、せめて理由を聞かせて。」
私達は動揺しながら彼に尋ねる。

「バスケは好きです。…けど、入部してから半年。やはり向いてないものはどうしようもありません。ましてや、この帝光中学校では僕はとてもチームの役に立てそうにありません。」

俯きながらそう話す彼に、偶然にも私達は、

「チームに必要のない選手なんていねーよ。」
「チームの役に立たない選手なんて居ないよ。」

と同時に伝えた。

「文字通り誰よりも練習してるヤツが全く無力なんて話、あってたまるかよ。少なくとも俺はそんなお前を見て尊敬してたし、もっと頑張ろうと思えたんだ。」

彼は真剣な表情で続けた。
「諦めなければ必ずできるとは言わねぇ。けど諦めたら何も残んねえ。」

「私も、誰よりも努力している黒子くんをマネージャーとして支えたいと思ってるよ。」
私は微笑んで本心を伝えた。

「青峰くん、亜麻野さん…。」

すると、体育館のドアが開いて聞き慣れた声がした。
「青峰、亜麻野。最近、見ないと思っていたらこんなところに居たのか。」
「ミケ、どこをほっつき歩いていると思ったら…。」

赤司くんに真ちゃん、紫原くんが入ってきていた。

「あー、向こうの体育館は人が多くて…。」
「私はタオルとドリンク運びをしてて。」
「まぁ、どこで練習しても構わないが。…彼は?」

「あぁ、いつも一緒に練習してんだ。」
「黒子テツヤくんだよ。」
そう紹介すると、興味深そうに彼を見つめる赤司くん。

「…彼に少し興味がある。もしかしたら、オレ達とは全く異質の才能を秘めているかもしれない。…悪いが全員帰ってくれないか?彼と少し話がしたい。」

と私達は彼らを2人きりにすることになった。青峰くんと紫原くんは去っていったが、私と真ちゃんは外から盗み聞きをすることにする。

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作者名:みぃ太郎 | 作成日時:2023年6月22日 13時

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