【スプレーマムの花束を貴方に】 (ページ45)

今日:18 hit、昨日:20 hit、合計:8,356 hit

42輪目ページ45

はしゃいでいるミキちゃんとアツコちゃんを遠い目で見るさつきちゃん。なかなかにシュールな光景だ。

そう考えていると、ミキちゃんの持つタオルが落ちそうになる。
「あっ。」
「おっと、気をつけて。」
しかし、後ろから来ていた赤司くんがそれを支えた。

そして彼は、「あと、いつもありがとう。日々チームを支えてくれていることに感謝しているよ。…行こう、緑間。」と言って去っていった。

本当に中1とは思えないほど大人っぽいなぁと考えていると、
「やっぱ、赤司様もいいよね〜！」
とミキちゃんがうっとりと話す。

「もー、結局かっこよければ誰でも…様！？」
「だって1年生でもう副主将だよ！？しかも家がすごいお金持ちなんだって！」
「はぁ…。」

興奮気味の2人に、さつきちゃんは呆れ気味だ。

：
：

練習後、真ちゃんに断りを入れて3軍の体育館へ向かう。

「はい、ドリンクとタオル。」
「ありがとうございます。」
彼はドリンクを飲むと、ボールをつく。

「練習はどう？」
「少しずつですが、成長していると思います。」
「そっか。」
そう話していると、聞き慣れた声がした。

「おーい、亜麻野？1人で何を話して…て、何でボールが動いて…まさか、本当にオバケが！？」
何故かこちらを覗いていた青峰くんが急に怯え始める。

「…青峰くん？」
「ギャー！？って、人？」
急に現れた黒子くんに腰を抜かして怯える青峰くん。

その光景に思わず吹き出してしまった。
「あははっ。怖がり過ぎだよ、青峰くん。」
「う、うるせえよっ！つーか、何やってんだよ、こんなとこで！」

そんな彼に、黒子くんを紹介する。3軍の部員だということ、昇格のために遅くまで残って練習していること等。

「すげーな、そこまでやってんのは1軍でもなかなかいねーよ。」
彼はその努力に感動したらしく、

「よっし、決めた。これから毎日、ここで練習する！そんでいつか一緒にコートに立とうぜ！」と言った。

「…いいんですか？」
「バーカ。いいも悪いもあるかよ。それにバスケ好きに嫌なヤツはいねーんだよ」

そう言って、2人は拳を突き合わせた。

「じゃあ、明日からは2人分のドリンクとタオル、持ってくるね！」
「ありがとうございます。」「サンキュ、亜麻野！」

「それと、いつか２人がコートで一緒に試合するところを見るの、楽しみにしてるね！」
「はい！」「あぁ！」
私達は笑い合う。

これが、帝光中の"影"と"光"の出会いだった。