40輪目 ページ42
「暑いねぇ。」
「まったくなのだよ。」
砂遊びをしていた私達だが、今はパラソルの下で涼んでいる。じりじりと照りつける日差しの暑さに耐えきれなかったのだ。
「それにしても、皆、楽しそうだね。特に青峰くん。」
「こんなに暑いのに、よくあそこまではしゃげるものなのだよ。」
沖ではしゃいでいる彼らを横目に話す。
あ、青峰くんに水をかけられて、さつきちゃんが怒ってる。
紫原くんは相変わらずお菓子を食べてるし。
赤司くんは虹村さんと何か話してる。練習メニューとかかな。
「そろそろ、全中だね。」
「あぁ。それに向けて、更に人事を尽くすのみなのだよ。」
眼鏡のブリッジを押し上げて、そう言い放つ彼。
「真ちゃんらしいなぁ。目指すは優勝？」
「当然だ。」
「ふふ。優勝したらおしるこで乾杯しよっか。」
「悪くないな。」
：
：
そして、私達は合宿を終えて帰ることになった。帰りのバスは行きのこともあり、真ちゃんの隣に座ることになる。
「あっという間だったね、合宿。」
「そうだな。」
バスに揺られながら真ちゃんと話すが、だんだんと眠くなる。うつらうつらしていると、
「見ていて危なっかしいのだよ。」と彼の方へ引き寄せられる。
「いいよ、重いでしょ。」
「ふん。これくらい問題ないのだよ。…いいから、黙って寝ておけ。俺も寝る。」そう言って目を瞑る彼。
「じゃあ、お言葉に甘えて。おやすみ、真ちゃん。」
彼に体を預けるようにして私は眠った。
眠る直前、彼が優しい表情でおやすみと言ったのは夢だったのだろうか。
こうして、夏の合宿は幕を閉じた。
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作者名：みぃ太郎 | 作成日時：2023年6月22日 13時
