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34輪目 ページ36

目覚ましの音も鳴っていないのに、いつもより早く起床してしまった。もう一度寝ようかとも思ったが、完全に目が覚めていることに気付く。

せっかくだし、朝風呂を楽しもう。そう考えて、まだ寝ている皆を起こさないようにして浴場へ向かった。




「ふぅ。」浴場から出て、息をつく。

季節は夏だが、こうして朝にお風呂に入れることは嬉しい。体がぽかぽかして、今日も頑張ろうという気持ちになれる。

上機嫌で部屋に戻ろうとすると、
「おはよう、ミケ。」と声をかけられる。
見ると真ちゃんがおしるこの缶を片手に立っていた。

「あっ。おはよう、真ちゃん。」
「今日はのぼせていないようだな。」
「もしかして、心配して来てくれたの?」
彼を見上げながら冗談交じりに話す。

「ふん、おしるこを買いに来たついでなのだよ。勘違いをするな。」
眼鏡のブリッジを押し上げ、呆れた声でそう話す真ちゃん。

けど、その表情は昨日と同じで優しいもので。
その表情で見られると、やはり顔が熱くなる。

本当に私はどうかしてしまったのだろうか。

「ミケ?」
黙って俯いていると、それを不審に思ったのか真ちゃんに声をかけられる。

「き、今日も暑くなりそうだなって。」
赤くなった顔を隠すようにしてごまかす。

「そうだな。お前も熱中症には気をつけるのだよ。調理場は暑いだろう。」
「真ちゃんもね。水分補給とか休憩はこまめに取ってね。」
「分かっているのだよ。」

そう話して、私達は部屋に戻った。

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作者名:みぃ太郎 | 作成日時:2023年6月22日 13時

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