28輪目 ページ30
真ちゃんと別れてバスに乗る。1軍は違うバスらしい。
約束通りさつきちゃんの隣に座ろうとするが、
「おはよう、ミケちゃん。」と肩に手を乗せられる。
嫌な予感を感じて振り向くと、灰崎くんが立っていた。
なぜここにいるのか…。げんなりする。
「…おはよう。」
「あれぇ?元気ないじゃん。ま、テキトーに座ろうぜ。」
ニヤニヤと笑いながら話す彼。誰のせいだと思ってるのか。
「悪いけど、私はさつきちゃんと座るの。というか、1軍は違うバスでしょう?」
「そんなカタいこと言わずにさ。」
悪い噂の絶えない灰崎くんに自分から関わろうとする人は少ない。そのため、周りは様子をうかがうだけだった。コーチもまだ来てないし、どうしたものか。
「ほらほら、座ろうぜ。」
腕を掴まれて、無理やり座らせられそうになる。私が断ると今度はさつきちゃんに絡みだすだろう。仕方がないかと諦めていると、
「おいこら灰崎!お前のバスはこっちじゃねぇだろ!」
虹村さんがバスに乗り込んできた。後ろには3軍のコーチと赤司くんも居る。
「げっ、何でいんだよ。とっくに出発したはずじゃ…ぐっ!?」
「お前の行動なんかお見通しなんだよ。ったく、手間をかけさせやがって…。お前はコーチの隣だ!」
彼は怒鳴りながら、灰崎くんを締める。相変わらず、見事な制裁っぷりだ。
そのまま、灰崎くんはコーチに引きずられていった。
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作者名:みぃ太郎 | 作成日時:2023年6月22日 13時