17輪目 ページ19
次の日、私はある人物を探していた。
「あっ、いたいた。青峰くん!」
「よぉ、亜麻野。なんか用か?」
「昨日のお礼。良かったら食べて。」
そう言って小包を渡す。中身は昨日焼いたマドレーヌ。
昨日は本当に助かりました。
「おっ、うまそうだな。サンキュ。」嬉しそうに話す彼。
「ほんとにありがとね。それじゃあ。」
「また部活でな。」
手を振って彼は去っていった。
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彼と別れて自分の教室に向かっていると、突然、後ろから首根っこを掴まれる。
「わっ。」
「なんか、アンタからいい匂いがする〜。」
振り向くと紫色の髪が印象的なとても大きい人が立っていた。
「こ、これかな?」
おやつ用のマドレーヌを取り出すと、それを見つめる彼。お腹が減ってるんだろうか。
「良かったら食べる?」
「いいの〜?やったあ。」
それを渡すと、彼は嬉しそうに受け取る。そして優しく降ろされた。
「えーと、紫原くんだよね?」
「あれ?会ったことあったっけ?」彼はそう言って首をかしげた。
「私、バスケ部のマネージャーなの。亜麻野ミケです。よろしくね。」
「うん。よろしくね、亜麻ちん。お菓子ありがと〜。」
自己紹介をすると、そう言って彼は去っていった。
何だかマイペースな人だったな。そう思いながら教室へ戻った。
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作者名:みぃ太郎 | 作成日時:2023年6月22日 13時